Detail
1938年にチェコ共和国にあるロンジンの代理店、Kohn社に納入されたウィームスです。ウィームスは、アメリカ海軍士官学校の指導官フィリップ・ヴァン・ホーン・ウィームス大佐が考案したセコンドセッティングの機構を備えたモデルを呼びますが、このモデルは、そのベゼル止め機構の最初期型になります。通常、ロンジンのウィームスはベゼルの側面を押さえて止める機構ですが、このモデルは、ベゼル止め用のリューズを回すと、ベゼル内部のパーツが持ち上げられ止めるという機構になっています。コストとメンテナンスの観点から、その後、改良されたものと思われますが、初期タイプは市場にほとんど出ないため、資料的にも価値が高いモデルとも言えます。このモデルが納入されたのがアメリカではなくチェコ共和国というのも面白いです。
文字盤は多少の経年変化により、プリントが薄くなっていますが、ロンジンのロゴはしっかりと残っており、目立つような傷はなく、雰囲気はとても良いです。針はブルースチールで、少々変色が見られますが、綺麗な青色をしています。ケースは、多少の小傷がありますが、目立つような傷はなく、概ね良好な状態です。ベルト取付部はパリス管で、ボンクリップのバンブーブレスを装着しました。分解掃除後のお渡し。