今回紹介するのは、1970年代に亀戸精工舎で製造されたセイコーの2針ドレスウオッチ、Ref.2418-301Aだ。
スクエア形のケースに、細やかなテクスチャー加工が施された淡いブルーの文字盤を組み合わせた、70年代のドレスウオッチらしいデザインが特徴的なモデルである。
本個体のコンディションに注目すると、ケースには小キズが見られ、やや使用感は感じられるものの、全体としては比較的良好な状態を保っている。文字盤や針に関しても、歪みや変色、シミなどは見られず、非常に良好なコンディションを維持している。
今回紹介するのは、1960年代初頭(1962年頃)に製造されたロレックスのオイスター ロイヤル Ref.6427だ。
うっすらとシャンパン色にエイジングしたサンレイ仕上げの文字盤とアルファ針の組み合わせが特徴的で、シーンを問わず着用できるシンプルなデザインが魅力的な一本である。
全体のコンディションに目を向けると、ケースやベゼルにはエッジのダレや小キズが見られ、年式相応の使用感は感じられるものの、文字盤やケース、針などに目立ったダメージはなく、ヴィンテージとしては比較的良好な状態を維持している。
今回紹介するのは、1969年頃に製造されたロンジンのアドミラル HFだ。
海軍大将(提督)の名を冠するアドミラルシリーズは、1950年代に誕生し、フラッグシップとコンクエストの中間に位置づけられた自動巻きモデルとして展開された。当初はドレスウオッチ然としたシンプルなデザインが主流だったが、1970年代に入るとクッション型ケースやモノコックケースを採用するなど、より堅牢性と未来的なデザインを意識したモデルへと変化していく。
本個体も、モノコックケースに近い構造を採用しており、ムーヴメントを収める器状のインナーケースに対し、別体のケース上面を被せ、風防を押し付けることで気密性を高めている。当時としては非常に合理的かつ先進的なケース構造と言えるだろう。
文字盤はドレスウオッチらしい筋目仕上げのシルバーダイヤルを採用。一方で、太めの時分針や夜光塗料入りのインデックスによって、スポーティーな表情も併せ持つ。エレガンスと実用性のバランスが取れたデザインだ。
今回紹介するのは、かつてイギリスに存在していた腕時計メーカー、“スミス”が1950年代に製造した手巻き腕時計、スミス デラックスだ。
その中でも、本モデルは裏ブタの刻印からわかるように、旧イギリス国鉄の勤続45年を称えて贈られた1本であり、ケースに9金イエローゴールドを使用した特別な時計として仕上げられている。
イエローゴールドのケースにスモールセコンドと青焼き針、アラビア数字のインデックスを配した文字盤など、非常にシンプルで50年代頃の時計らしいフェイスデザインが魅力的だ。全体のコンディションに注目すると、ケースは研磨などによるエッジのダレが見られ、リューズも長年の使用による摩耗が確認できる。文字盤は斑点状のシミが見られるものの、均一に変色しているため、比較的良好な状態だ。青焼きの時分針については、根元部分や先端部にわずかなサビが見られるため、コンディションにこだわる人は要チェックだ。
今回紹介するのは、1969年に製造されたオメガ ジュネーブのダイナミックだ。その名が示すとおり、紺色の文字盤に描かれたホワイトのサークルと、放射状に長く伸びる集中線のようなミニッツマーカーが、強い近未来的雰囲気を感じさせるデザインとなっている。
ケースデザインにはオーバル形が採用されており、この大胆な文字盤デザインと相まって、60〜70年代のSF作品に登場する宇宙船の計器類を思わせる独特の佇まいに仕上げられている。
今回は、1940年代に生産されたナディーンという腕時計とともに、時分針から独立した位置で秒を表示するスモールセコンドについて解説する。
今回紹介するナディーンは、現在ではブランド自体も消えてしまい、歴史や資料も少ないため詳細は不明だが、エボーシュメーカーのムーヴメントを搭載した腕時計を取り扱っていたブランドとして、現在でもアンティーク市場に姿を見せることがある。
アンティークウオッチの中では、いわゆる“無名ブランド”として区分されてしまうが、当時としては高価な時計にのみ採用されたステンレススチールをケース素材に採用している点に注目したい。さらに、ロンジンの”トレタケ“を彷彿とさせるステップドケースや、3点式スクリューバック防水ケースを採用しており、実用性と耐久性を重視したかなりコストのかかった時計であったことがうかがえる。
年式を考慮しても比較手状態が良く、ケースや文字盤にも大きなキズや腐食は見られない。
ムーヴメントには、スモールセコンドを特徴とするフォンテメロン社製Cal.150を搭載。実用時計であるため、華やかな装飾は施されていないものの、故障の要因が少ないシンプルな構造と、十分な厚みをもつ部品構成が魅力的だ。
今回紹介するのは、1984年頃に製造されたロレックスのデイトジャストRef.16013だ。
アンティークと呼ぶにはやや新しい年式の時計だが、プラスチック風防や36mm径の小振りなサイズ感など、アンティークらしい特徴を兼ね備えたデザインが魅力となっている。
本個体は“バックリーダイアル”と呼ばれるローマ数字がブリントされた白文字盤が特徴的で、ほかのデイトジャストとは異なる、クラシックですっきりとした顔立ちだ。この文字盤は世界的に有名な時計コレクターであるジョン・バックリー氏に由来するとされており、時計愛好家からの人気を集める希少なモデル。インデックスに合わせて針も黒色になっている点が特徴的で、白の文字盤と組み合わさることで非常に高い視認性を誇っている。
今回紹介するのは、1960年代に製造されたヴァシュロン・コンスタンタンの自動巻きモデル、Ref.6394Qだ。
一見すると、防水性を高めるためにネジ込み式の裏ブタを採用した、ごく普通のSSケース製の実用時計にも見えるが、なんとケース全体にK18WGをふんだんに使用している。その贅沢さをひっそりと主張するかのように、ケースサイド上面には布地のような繊細な加工が施されている。
ドレスウオッチらしい繊細さを残しつつも、がっしりとしたラグの造形や12角形のスクリューバックなど、実用時計らしい堅牢さも感じさせる作り込みが魅力的だ。重厚な自動巻きムーヴメントを搭載しているため、どうしても厚みは出てしまっているが、裏ブタ周りに傾斜をつけることで、ケースサイドからの見た目をすっきりとまとめている。
スピードマスターと言えば、1962年に宇宙で使用された2ndモデルや、NASA公式装備品として認められ、69年のニール・アームストロング船長とバズ・オルドリン月着陸船操縦士が月面着陸時に身に着け、“ムーンウオッチ”として知られるようになった4thモデルなど、歴史的なエピソードの絶えない傑作モデルとして、現在でもオメガを代表するアイコンモデルとして君臨している。
そして、今回紹介するのは1970年代に製造されたオメガ スピードマスターの第5世代モデルであるRef.145.022-69ST、通称“5th”と呼ばれるモデルだ。
先代の4thモデルで採用されていた、特徴的なラグ形状やリューズガードの役割を持つ左右非対称のケース、タキメーターベゼルや視認性の高いデザインの文字盤はそのままに、搭載するムーヴメントを変更している点が特徴的だ。4thモデルで確立されたデザインはいまなお受け継がれているが、製造時期が近く、ケースやブレスレットの加工技術も大きな変化がなかったことから、その血筋が最も濃いのは5thモデルと言えるのではないだろうか。
今回紹介するのは、東京・亀戸に工場を構えていた第二精工舎が、1958年に初めて独自に設計を行った男性用中3針の“セイコー クロノス”の派生機、セイコー クロノス セルフデーターだ。デイト機能付きの本個体は1961年頃から製造が開始されたシリーズで、3時位置のデイト窓と金張りのスリムなケースが特徴的だ。
太平洋戦争後、亀戸に工場を構えていた第二精工舎は空襲の被害を受けたこともあり、1948年になってようやく女性用腕時計の生産を再開し始める。そんな中、国内における腕時計需要の高まりに応えるべく、亀戸工場にも男性用ムーヴメントを製造する機会が巡ってくる。それが、諏訪精工舎が設計を行った男性用中3針の“スーパー”をベースとした“ユニーク”だ。
しかし、スーパーおよびユニークは、材質や工作精度、ムーヴメント径の小ささといった点から、十分な性能を引き出すことが困難で、決して満足のいく製品とは言えなかった。この問題に対し、スーパーを手掛けた諏訪精工舎は、ムーヴメント径を23.8mmから26mmへと拡大し、テンプと香箱車を大型化することで精度の安定化を図るとともに、各所の基本設計を見直した“マーベル”を生み出した。このマーベルは非常に安定した性能を実現し、国内の通産省主催のコンクールにおいても極めて優秀な成績を残している。
こうした諏訪精工舎のムーヴメント開発に影響を受け、第二精工舎が独自に設計を行ったクロノスが誕生することとなったのだ。