今回紹介するのは、レザーベルトを装着した1972年製のロレックス オイスターパーペチュアル デイトだ。
縦方向に筋目仕上げが施された深みのあるブルー文字盤は、光の加減や光源によって表情が変化するため、飽きのこないデザインと言えるのではないだろうか。インデックスの端部に塗布されたトリチウム夜光によって、その周辺にわずかな変色が見られるものの、文字盤や針、インデックスには大きなキズや腐食はなく、比較的良好な状態を保っている。夜光による文字盤の劣化はネガティブな印象を受けるかもしれないが、言い方を変えれば、文字盤の書き換えなどによって手が加えられていない、オリジナルの状態を維持しているものと捉えられる。
また、文字盤の6時位置にはσ(シグマ)マークもプリントされており、文字盤の一部に貴金属が使用されている希少な仕様の“シグマダイアル”であることがわかる。
今回紹介するのは、1970年代に製造されたオメガのメモマチックだ。
数あるオメガのアンティークウオッチのなかでも、アラーム機能を備えた極めて特殊なモデルであり、生産数も決して多くはなかったとされている。アンティークウオッチとしてはかなり大型な40mm径のケースを採用しており、重厚感あふれるケース造形は古さを感じさせないデザインだ。
今回紹介するのは、1968年に製造されたプロフェッショナルダイバー300mだ。
1965年に登場したファーストダイバーこと62MASの登場から2年後、その2倍の防水性能を備えたプロフェッショナル300mの初代モデルが登場する。今回紹介するのは、その翌年(68年)に登場した、ハイビートムーヴメントのCal.6159を搭載する後継モデルだ。
ブラックの文字盤にゴールド色のインデックスと針を組み合わせたデザインが特徴的で、ひと目でセイコーダイバーだと判別できるアイコニックさと高級感を両立したデザインが魅力的だ。夜光にやや変色が見られるものの、全体としては良好なコンディションを維持している。
今回紹介する時計は、1970年代に製造されたジャガー・ルクルトのメモボックスだ。メモボックスは50年代に誕生し、度重なる改良を重ねながら、いまなお製造が続けられているジャガー・ルクルトを代表する名作シリーズとして知られている。
その中でも本作は、全回転ローターを採用した名作ムーヴメント”Cal.916”を搭載した、完成度の高いモデルだ。
文字盤は珍しい2トーンカラーを採用し、メモボックス最大の特徴とも言える文字盤中央部の回転ディスクはエイジングが進み、味わい深いブラウンカラーへと変化している。こういった文字盤は“トロピカルダイアル”と呼ばれ、愛好家たちの間で広く好まれている。経年変化が生み出す柔らかな色味と、侘び寂びを感じさせる独特の風貌が魅力だ。
また、9時位置に“JL”のアプライトロゴが配された珍しいレイアウトのダイアルデザインも見逃せない。
今回紹介するのは、1970年代に製造されたヴァシュロン・コンスタンタンの2針ドレスウオッチRef.7811だ。世界3大時計のひとつであり、200年以上の歴史をもつ同ブランドの威厳を感じさせる、堂々とした風格の2針ドレスウオッチだ。
一見するとごく普通のステンレススチール製のシンプルなドレスウオッチに見えるが、本個体はなんと、ホワイトゴールドをふんだんに使用した金無垢時計なのだ。現行品のような、華美な装飾や一目で高級時計だと分かるようなディテールがほとんどないため、一部のマニアを除けば、そもそもヴァシュロン・コンスタンタンの時計であるということに気づけないほどに地味なデザインなのだ。しかし、多くを語らない寡黙な紳士さが、アンティークの高級ドレスウオッチならではの魅力と言えるだろう。
今回紹介するのは1964年頃に製造された、ロレックスのデイトジャストRef.1601だ。
ロレックスのなかでも超定番のモデルであり、平凡過ぎるという意見も見られるものの、安定した性能とトータルバランスに優れた設計から、実用的なアンティークウオッチとして高い評価を得ているロングセラーシリーズだ。加えて、多彩なデザインのバリエーションや、経年による文字盤の変化など、個性的な個体が多く見つけられる点もデイトジャストの魅力と言える。
本個体は、もともとブラックミラーダイアル(艶のある黒文字盤)であったが、紫外線や湿気、経年によって塗料の表面が荒れ、独特な風合いの文字盤に変化している。表面には白い斑点が現れてその周辺がダークブラウンに変色しており、わずかに錆が浮いた鉄器を思わせる質感だ。こういった文字盤は、アンティークらしい時を重ねた風合いがマニアから珍重されている。
今回紹介するのは、1950年代後半頃に製造されたオメガのコンステレーションだ。
本個体はくさび形インデックスや12角の文字盤、角形のリューズデザインが特徴的で、洗練された印象を与える。文字盤表面は経年による腐食が進み、斑点状に茶色く変色しつつあるが、その様子はどこか焦げ目のついたパイ生地を思わせる。
特徴的なラグ形状や、わずかに膨らみを帯びた曲面を描くケースサイドは、平滑面が少なくシンプルな造形でありながらも、面の歪みを感じさせない美しい仕上がりだ。長年の使用による小キズはあるものの、大きな打痕や研磨によるケースエッジのダレは見られず、製造当時のケースシェイプをよく保っている。裏ブタにはめ込まれた天文台マークのメダリオンも健在だ。
昨今は円安の進行や原材料費の高騰などの影響によって、腕時計の価格も軒並み上昇しており、かつては30万円台で購入できたモデルも、ものによっては2倍近くまで価格が跳ね上がり、以前のように気軽に手を伸ばせる存在ではなくなってしまった。
アンティーク時計の市場においても全体的に相場は上昇傾向にあるが、ロレックスやオメガといった一部の人気ブランドを除けば、比較的緩やかな値動きにとどまっている。
そこで今回は、予算20円台からでも手に入れられる、ムーヴメントや外装デザインにこだわったアンティークウオッチを紹介する。
今回紹介するのは、1968年にIWC(インターナショナル ウオッチ カンパニー)が製造した“ビッグケース”と呼ばれる自動巻きモデルのRef.R820ADだ。アンティークのIWCは “オールドインター”と呼ばれることも多く、上質で質実剛健な時計作りから、コアなアンティーク愛好家に長年にわたって支持されている。
文字盤は60年代当時に流行していた、サンバースト仕上げのシルバートーン仕上げで、立体的な砲弾型インデックスとシャープなドーフィン針を組み合わせたクラシックなデザインが特徴的だ。実用機でありながらも、繊細なロゴプリントやパールドットのインデックスなど、かなり手の込んだ仕上げが採用されている点にも注目したい。秒針についても、ブレスで打ち抜いただけでなく、面を取った立体的で鋭い形状に加工されている。
今回紹介するのは1981年に製造されたチューダーのプリンス オイスターデイト クロノタイムだ。
アンティークウオッチと呼ぶにはまだ新しい、ポストヴィンテージ世代の腕時計だが、この世代の時計ならではのデザインと作りが魅力的な1本だ。人によってはアンティークとも呼べない、中途半端な時代遅れの型落ち品と言う印象をもつこともあるだろう。
しかし、80~90年代にかけては、各メーカーが外装部品を中心とした製造技術を向上させた時期であり、アンティーク時計のような繊細さをもちつつも、現行時計に近い使用感を得られる時計も数多く存在する。今回紹介するクロノタイムは、まさにこうした時期に生まれ、アンティークとも現行品とも異なる魅力をもつモデルなのだ。
今回紹介するのは、1960年代に製造されたジェニーのカリビアン ヨッティングクロノグラフだ。
ジェニーというブランドは日本での知名度は低いが、1963年にポール・G・ジェニーによって創立された歴史をもち、主にプロフェッショナル向けのダイバーズウオッチやその防水ケースの製造を得意としていた。60年代に登場したカリビアンシリーズでは世界初の1000m防水を達成した腕時計を製造するなど、突出した技術力を有していたのだ。
この防水ケースは、オレッヒ&ワイスやジャケ・ドローなどが採用したことで知られており、海外のダイバーズウオッチコレクターを中心に高い人気を集めている。
その後、ジェニー社はクォーツショックの影響を受けて経営の危機に瀕した、ダイバーズウオッチを手掛けていたことで有名な“ドクサ”を買収しており、以降は姉妹ブランドという立場になったのだ。