今回紹介するのは、1960年代に製造されたブライトリングのナビタイマーだ。48mm径の大型ケースを採用している点から、愛好家の間では”ビッグケース”や”ビッグナビタイマー”として親しまれている。
この角ばった大径ケースは、自動巻きクロノグラフの“クロノマチック”と共通の物であり、ケース9時位置にはクロノマチックのリューズを配置するための穴が空けられている。3時位置にリューズが配された手巻きムーヴメントを搭載する本モデルでは、9時位置の穴がふさがれている点にも注目だ。計算尺を備えたベゼルが、パイロットウオッチらしさを感じさせる。
今回紹介するのは、1990年代にダンヒルが発売していた、“ミレニアム”のクロノグラフモデルだ。アンティークウオッチと呼ぶには新しいかもしれないが、往年の名作クロノグラフキャリバーを搭載したマニア必見の1本だ。
イギリスの老舗メンズラグジュアリーハウスとして名を馳せ、バッグや革小物、シューズ、アクセサリーまで幅広く手掛けているダンヒルだが、古くから腕時計の取り扱いも行っており、なかにはジャガー・ルクルトが製造を担ったモデルも存在していた。
ダンヒルのミレニアムは、1990年代に発表された腕時計コレクションであり、流線形のケースと専用のステンレスブレスレットが装着されたモデルであった。当時流行していたドレスウオッチのデザインが色濃く反映されており、ステンレススチールとゴールドメッキのコンビカラーを生かした、ラグジュアリーなデザインが特徴的だ。
今回紹介するのは、1960年代に製造されたIWCのヨットクラブだ。
本シリーズは1967年に登場し、質実剛健な時計作りが特徴的なアンティークのIWCのなかでも、耐衝撃性と防水性を意識した設計が魅力的だ。その名が示すように、ヨット乗りのために設計された時計であったとされている。ムーヴメントをインナーケースで保持し、さらに5つのラバーパーツで宙づりにした耐衝撃構造が最大の特徴だ。
今回紹介するのは1972年に製造されたロレックスのチェリーニ Ref.4014だ。いまとなってはオイスターケースを用いた実用時計のイメージが強いロレックスだが、28年から近年に至るまでエレガントなドレスウオッチの“チェリーニ”も手掛けていたのだ。
このモデルは、イタリア・ルネッサンス期の芸術家 “ベンヴェヌート・チェッリーニ”に敬意を表して登場したとされており、同社の“オイスターケース”や“パーペチュアル”の技術が浸透する以前には、資金面で大きな支えになっていたといわれている。
今回紹介するのは、1970年代に亀戸に工場を構えていた第二精工舎が製造した、セイコー ロードマチック スペシャルだ。
ロードマチックは68年から諏訪精工舎で生産が開始され、当時の学生やサラリーマンをターゲットとしたモデルであったとされている。曜日付きカレンダー機能を搭載した高精度なCal.56系ムーヴメントを採用し、装着感を意識したコンパクトで薄型、かつ防水性能を重視したケースが特徴だ。
準高級機として位置づけられていたが、現代の基準から見ても非常に高い完成度を誇っており、ウィークポイントであるカレンダー機構を除けば、いまなお実用機として十分通用するスペックを備えている。
今回紹介するのは1940年代にエテルナが製造した手巻き腕時計、通称“ビッグクッション”だ。
エテルナと聞くと、一般的には認知度の低いブランドだが、アンティークウオッチ愛好家の間では、自動巻き腕時計のローター軸にいち早くボールベアリングを採用したメーカーとして知られている。そんな同社だが、第2次世界大戦中には各国の軍に軍用時計を納入しており、その堅牢さと高精度から、現在でも海外市場を中心に高い評価を受け続けている。
今回紹介する個体は、チェコスロバキア航空部隊用に採用されたモデルの民生品と思われるモデルであり、軍用モデルと共通する実用性の高さと意匠が魅力的なモデルだ。1940年代の時計としては非常に大きな38mmサイズのモデルであり、スクリューバックを採用したオールステンレススチール製の堅牢なケースが軍用時計らしさを感じさせる。
今回紹介するのは、1970年代にニバダ グレンヒェンが製造したアンタークティックだ。数々の名作実用時計を輩出し、2019年にブランドが復活して以来も、ユニークな時計を生み出している。
そして、この“アンタークティック”も現ニバダ・グレンヒェンが復刻しており、記憶に新しい人もいるだろう。本個体の裏ブタにも、シンボルマークのペンギンの刻印が刻まれている。
筋目仕上げの文字盤にバーインデックスとクロスライン、長めのミニッツマーカーや6時位置のデイト表示を組み合わせた、シンプルながらもバランスの取れた顔立ちが魅力的だ。裏ブタには防水性を意識したスクリューバックが採用されており、ニバダらしい質実剛健な設計思想が感じられる。裏ブタ中心部のペンギンマークも、どこか遊び心を感じさせるポイントだ。
今回紹介するのは、いまなおオメガの腕時計を代表するモデルとして名を馳せる、コンステレーションだ。
1952年に登場した “星座”を意味する“コンステレーション”シリーズ。 同モデルは、48年にオメガ創業100周年を記念して限定販売されたクロノメーターの自動巻き、“センテナリー”の成功と市場からのニーズを受け、次世代のオメガを代表する高精度の自動巻きとして誕生した。
その中でも、本個体は1971年に製造された“ジェラルド・ジェンタ”によるデザインで有名なCラインケースを採用したモデルだ。
今回紹介するのは、1967年に製造されたセイコーの“ファーストダイバー”こと62MASだ。大きなリューズや裏ブタの刻印から後期型の個体であることが判別できる。
国産初の本格的なダイバーズウオッチとして登場した本作は、安全性と信頼性を第一とするセイコーの“質実剛健”なダイバーズウオッチづくりの始まりとも呼べる時計だろう。
クリック感がなく、両方向にスムースに回転するベゼルや、ネジ込み式ではないリューズ、プラスチック製の風防など、現代のダイバーズウオッチと比較すると、心もとないスペックだが、当時の国産時計としては先進的な性能であり、南極越冬隊に採用された実績も残している。
今回紹介するのは、1972年~73年頃に製造されたロレックスのオイスターパーペチュアル デイトだ。
本個体に使用されている絶妙な色合いのグレー文字盤は、見る角度によって白で記されたレターがグレー色と同化し文字が消えたように見えることから、通称“ゴーストダイアル”とも呼ばれている。12時位置に配された王冠のアプライドロゴは健在であるものの、ブランド名やモデル名などを主張しない、控えめで上品な雰囲気が魅力的な1本だ。文字盤の6時位置にはσ(シグマ)マークもプリントされており、文字盤の一部に貴金属が使用されている、希少な仕様の“シグマダイアル”であることがわかる。高級さを過度に主張しない点こそ、このモデルの美学と言えるだろう。