今回紹介するのは、ハミルトンが1960年代に製造したパンユーロだ。名前に“ユーロ”の名が入っていることから、ヨーロッパ市場を意識していたことがうかがえる。
ラウンド形のケースに、円形に近いクッション形のベゼルを組み合わせたケース造形が特徴的で、ドレスウオッチにはない力強さを感じさせるデザインだ。防水性の高いスクリューバック式の裏ブタを採用している点からも、製造当時は実用性を重視していたことがうかがえる。重厚感のある裏ブタに刻印されたペガサスのマークがどこか誇らしげで、当時のハミルトンの勢いを感じられるポイントだ。ただし、製造から半世紀以上が経過した時計であり、製造当時と同等の防水性能は備えていないため、水気や湿気を避けて使用することを推奨する。
今回紹介するのは、1950年代に製造された初期型自動巻きのシーマスターだ。
1948年に誕生し、ミリタリーウオッチの開発で得た防水技術を落とし込んだとされているオメガのシーマスター。その防水性能に由来する実用性の高さから市場での人気を博し、現在に至るまでオメガのアイコンモデルとして継承されている人気シリーズだ。
本個体は立体的な模様のワッフル文字盤、しかも外周部の色分けが特徴的なツートンダイアルが採用されている。製造当時は文字盤のデザイン性を高めるとともに、光の反射を抑えて視認性を向上させることを意図していたとされている。立体的で繊細な文字盤仕上げは、柔らかみのある表情を見せるとともに、腕時計が高級品であった時代の様相を感じさせる手間暇のかかった仕上がりだ。
今回紹介するのは、1970年代に製造されたパテック フィリップのゴールデン エリプスだ。18金イエローゴールド製のスリムケースと、オーバル形のフェイスが特徴的で、一見すると同年代の高級薄型手巻き時計を思わせる構成だが、なんと本モデルでは自動巻きのムーヴメントを搭載しているのだ。
デザインに注目すると、ドレスウオッチとしては比較的大きめな、36mmサイズのオーバル形ケースを採用しており、ゴールド色のケースとブルー文字盤の色味も合わさることで、腕元で十分な存在感を発揮するだろう。
高級ドレスウオッチであるがゆえに防水性能を備えていないため、高温多湿の気温や水気を避け、適温に調整された室内でのみ使用したい1本だ。
今回紹介する時計は、ポルシェ911の初代モデルのデザインを手がけた、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェが創立したデザインスタジオと、IWCのコラボレーションによって誕生したダイバーズウオッチだ。
このモデルが誕生するきっかけには、ドイツ連邦海軍(当時の西ドイツ)からの要望であったとされている。当時のドイツ連邦海軍は磁気機雷を除去するダイバーが使用するための時計を求めており、IWCは高い耐水性と耐磁性能を備えた時計の開発を進めることとなったのだ。
今回紹介するのは、1960年代から1970年代頃に製造された、ユニバーサル・ジュネーブのポールルーター デイトだ。ポールルータは、スカンジナビア航空のアメリカ便就航を記念してリリースされたモデルであり、その名前は北極点を通過するノースポールルートを辿っていたことに由来しているそうだ。
ユニバーサル・ジュネーブと言えば、クロノグラフとマイクロローターの自動巻きムーヴメントが有名で、時計愛好家であれば一度は耳にしたことがあるメーカーではないだろうか。
今回紹介するのは、1967年頃に製造された、ロレックス サブマリーナー Ref.5513だ。
シンプルかつ堅牢な構造のケースとベゼル、ネジ込み式リューズによって高い防水性能を実現し、耐久性と精度に優れたムーヴメントを搭載した本モデルは、ロレックスの信頼性と歴史を語るうえで欠かせない存在と言えるだろう。
本個体では、文字盤6時位置に印刷された防水表記の、“200m”が先に記されていることから、“メーターファースト”とも呼ばれる仕様の文字盤が特徴だ。加えて、ミラーダイアルからマットダイアルに切り替わった時代の文字盤であり、愛好家の間でも注目されている。
今回紹介するのは、1980年代に製造されたカルティエのサントス ガルベだ。直線的なケースとブレスや、ビスの多用されたアイコニックな外装デザインから、ひと目でカルティエだと判別できるものの、文字盤上にブランドロゴすら見当たらないのだ。
しかし、よく目を凝らしてグレーの文字盤に注目すると、光の角度によって“CARTIER”の文字がふんわりと浮かび上がる。この文字盤は愛好家たちに“ゴーストダイアル”とも呼ばれ、1980年代に製造された個体のなかでごく希に確認できるとされる。
今回紹介するのは、ラドーが1970年代に製造したキャプテンクックだ。
キャプテンクックといえば、現在のラドーでも60年代のデザインを再現したコレクションがラインナップされており、ご存じの愛好家も多いだろう。しかし、今回紹介するモデルは、そうしたクラシックな意匠とは一線を画す。70年代のスペースエイジデザインの影響を色濃く受けた、流線型のフォルムが特徴的な1本だ。
ケース内部に回転ベゼルを納めたインナーベゼル構造が特徴で、0~20分の位置に赤いカラーリングを施すことで、経過時間の判読性を高めている。3時位置のリューズはインナーベゼルの操作用、4時位置に埋め込まれたリューズが時刻およびカレンダーの調整用となっている。
1960年代後半から70年代初頭にかけて、国産機械式腕時計の技術力はピークを迎え、各社から数多くの名作が生み出された。今回紹介する時計もそのなかの1本であり、優れた性能と量産性を両立した傑作機であった。
今回紹介する時計は、1960年代後半から70年代前半頃に製造されたシチズンのレオパール 28800だ。
薄型で、毎時2万8800振動のハイビートムーヴメントを防水ケースに搭載した設計は、セイコーのロードマチックやキングセイコーといったビジネスマン向けモデルを想起させる。実際、この製品はそれらに対抗すべく、シチズンが市場に投入したモデルとされている。
今回紹介するのは、1930年代に製造されたマービンの14金イエローゴールド製レクタンギュラーモデルだ。22×37mmのサイズは現代の感覚からすると、レディースウオッチにも見えるが、当時はメンズ向けに販売されていた。現在ではジェンダーレスに使用できる絶妙なサイズ感が魅力的だ。
14金YG製のケースと青焼きの時分針が美しく、シンプルなセクターダイアルと組み合わせたアール・デコ様式のデザインが、まるでアクセサリーのブレスレットのような雰囲気を演出している。特に、レクタンギュラーケースならではの、横に張り出さないケース形状が腕になじみやすく、ラウンド型の時計にはないコンパクトな装着感が魅力的だ。