Detail
意匠の余白。
クッション型ケースにそっと刻まれたペンギンの姿。
過度に語ることを避けながらも、なお印象を残す穏やかな造形。
バーインデックス・バーハンド、6時位置のデイト。
過不足なく、しかしどこか柔らかく整えられたこの意匠は、
日常の中で使われることを前提とした、
“静かな実用”の美学に満ちています。
ETA社製「Cal.2472」。
実は、現代の量産型ムーブメントとは異なります。
それはETA社がまだ技術の夢を描いていた時代、
双方向巻きのローター機構を初めて組み込み、
ロジウムでその肌を整えたひとつの試み。
多くの人が語らぬこの機構にも、
確かな野心と洗練が息づいております。
ドーム型風防、程よい経年感、そして静かな佇まい。
現行モデルにはない風格と余白。
このニバダは、派手さこそ控えめながら、
ヴィンテージウォッチの本質、
時を纏うとは何かを静かに語ってくれます。
