新連載【アンティーク時計入門・第1回】クロノグラフの腕時計化を加速させた戦争、それを牽引したバルジュー社

2024/10/03
by 堀内 大輔

ユリス・ナルダンがCal.22を採用した1939年製のクロノグラフ(写真◎クールビンテージ)


業界唯一のアンティーク時計の専門誌「LowBEAT(ロービート)」の編集部が「アンティーク時計とは?」をテーマにお届けする連載企画「アンティーク時計入門」。なるべく小難しくならないよう毎回簡潔にお届けしたいと思う。そして第1回はアンティークの世界でも特に人気の高いクロノグラフについてだ。

ストップウオッチの機能を軸にそれに付随する計測機能も含めたその総称をクロノグラフと呼ぶ。そしてこのクロノグラフ機構を装備したムーヴメントを当時主流だった懐中時計ではなく小さな腕時計用として最初に開発したのはロンジンと言われている。そのムーヴメントとはキャリバー13.33。開発されたのは1913年でいまから111年も前のことだ。

続いて第1次世界大戦が勃発したその翌年の1914年には、ムーヴメントの製造を専業とするバルジュー社が同社初の腕時計用小型クロノグラフムーヴメント、キャリバー22(GHT)を開発するなど、クロノグラフ機構を装備したムーヴメントが1910年代になって一気に腕時計用としての小型化が加速した。その背景にあるのは軍用品としての重要性である。つまりこの戦争が大きく関わっているというわけだ。


バルジュー社のCal.22(写真◎クールビンテージ)


バルジュー社はキャリバー22をさらにサイズダウンしたキャリバー23を16年に開発。これはパテック フィリップをはじめ多くのブランドが採用したことでも知られる。そして1974年に生産を終了するまで実に58年間も製造された傑作である。

その後、1939年に起こった第2次世界大戦からは、戦闘機や爆撃機といった航空機が結果を大きく左右するほど戦術的に重要な位置付けとなったため、クロノグラフウオッチに対する重要性がさらに高まり、様々な機能が開発されるなど、さらに進化を遂げていくことになる。


続いてはそんなキャリバー22を搭載した3メーカーのクロノグラフを紹介。


[ユリス・ナルダン クロノグラフ]



1930年代独特のフラットなカラトラバベゼルと筒状の18金ローズゴールド製シリンダーケースを採用。90年以上前に販売された当時の純正箱からギャランティーペーパーが付属している点もかなり希少。
【商品詳細】K18RG(35mm径)。手巻き(Cal.22)。1939年製。65万円。取り扱い店/クールビンテージウォッチ

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[ベッタ クロノグラフ]

1940年代にベッタが製造したクロノグラフ。ややブラウン化したブラックミラーダイアルに下地出しのシルバーレター。4つビス防水のクラムシェルケースを採用する。
【商品詳細】SS(38mm径)。手巻き(Cal.22)。1940年代製。150万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ

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[キャプト クロノグラフ]


ほとんどなの知られていない無名系メーカーのクロノグラフだが、スピルマンケースでに文字盤はブラックミラー、さらに抜字のライトゴールドレターで、ミニッツトラック部はグレーとなかなかの作り。
【商品詳細】SS(38mm径)。手巻き(Cal.22)。1940年代製。68万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ

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