
業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けする「アンティーク時計入門」。その第3回は先週のテーマ「アンティーク時計とはいつ頃の時代を指すのか?」の後編としてロレックスのアンティークについて取り上げる。
前回はアンティーク時計についてクォーツショックやスイスフラン高などスイス時計産業が大打撃を受ける1970年代よりも前の個体を主に指しているとお伝えした。
もちろんこれがすべてではなく当然それに当てはまらないものも出てくる。その代表例がロレックスだ。
最大の理由は、現在のアンティーク市場において主軸を成しているともいえるロレックスの人気モデル、そのほとんどが1960年代に開発され70〜80年代まで製造が続けられていたからなのだ。
その背景にあるのが1957年から60年代にかけて完成形を迎えた1500系自動巻きムーヴメントの存在。これは現在に至るロレックス製自動巻きムーヴメントの基本形となったと言われるほど優秀な機械なのである。
70年代にスイスの3分の2の時計ブランドが倒産に追いやられたと言われており、各社はクォーツ式腕時計の生産にシフトするなど生き残りをかけて体制の立て直しを図っていた。そんななかにおいてもロレックスは機械式腕時計を軸に60年代の1500系を搭載した時計を、コレクションによっては80年代後半まで継続して生産を続けていたのだった。
参考までに1500系を搭載したロレックスの代表的なモデルを以下に挙げた。それを見るとわかるが製造された期間がモデルによってバラバラで年代で線引きすることは難しい。そのためロレックスについてはこの1500系自動巻きムーヴメントを搭載して製造が続けられたレファレンス(型番)までを編集部としてはアンティークと定義したというわけだ。レファレンスだと4桁の個体になる。
【1500系自動巻きムーヴメント搭載モデル】
サブマリーナー|Ref.5513(1989年頃まで製造)
サブマリーナーデイト|Ref.1680(1979年頃まで製造)
シードゥエラー|Ref.1665(1978年頃まで製造)
GMTマスター|Ref.1675(1980年頃まで製造)
エクスプローラー|Ref.1016(1989年頃まで製造)
エクスプローラー II |Ref.1655(1987年頃まで製造)
ミルガウス|Ref.1019(1988年頃まで製造)
デイトジャスト|Ref.1600(1977年頃まで製造)
デイデイト|Ref.1803(1979年頃まで製造)
コスモグラフ デイトナ|Ref.6263と6265(1988年頃まで製造)
なお1999年まで他社製のクロノグラフムーヴメントを採用していたデイトナについては自動巻きではなく88年頃まで生産された手巻きのクロノグラフ時代までとしている。