【ギラつかない渋さが魅力的!】控えめな雰囲気のアンティークロレックス

2025/09/19
by 菊地 信

今回紹介するのは、現行モデルでも不動の人気を誇るロレックス デイトジャストの、1970年頃に製造されたRef.1601だ。文字盤外周に段差を付けた、60年代から70年代のデイトジャストを代表するデザインが特徴的で、文字盤に立体感をもたらすと同時に、視認性の向上にも寄与している。36mm径の小振りなオイスターケースにフルーテッドベゼル、ジュビリーブレスレットを組み合わせた王道のスタイルだ。絶妙な色合いのグレー文字盤が落ちついた印象で、オンオフ問わずに着用できるだろう。


現行のロレックスを見慣れた人からすると、スリムなケース形状やくたびれたブレスレットから、どこか頼りない印象を受けるかもしれない。しかし、優れた装着感や均整の取れた文字盤デザインなど、現行品とは異なるベクトルの魅力が詰まっているのだ。

ステンレス板を巻いて組み合わせた構造が特徴的なブレスレットは、巻きブレスとも呼ばれ、コマの内部が空洞であるため非常にフレキシブルかつ軽量で通気性にも優れている点が特徴だ。

また、アンティークであるため十分な注意は必要だが、高い防水性を誇るオイスターケースが採用されている点も、実用を考えている場合にはうれしいポイントだろう。加えて、本個体ではフルーテッドベゼルにホワイトゴールドが使用されており、一目では気づくことのできない控えめな高級さが魅力的だ。

ムーヴメントには、シンプルな構造ゆえに故障やトラブルが少なく、現在でも名機として語り継がれているロレックスの自社製Cal.1570を搭載。精度をつかさどるヒゲゼンマイに、高コストであるものの、姿勢差が生じにくい巻き上げヒゲを採用し、従来の緩急針ではなく、テンプの外周に設けられたマイクロステラスクリューによって精度調整を行うなど、精度の向上を目的として先進的な設計を多用したキャリバーであった。

全体のコンディションに注目すると、ケースには原形を崩さない程度の研磨が施されており、良好な状態を保っている。文字盤には目立った傷や変色は見られないが、一部夜光塗料の剥がれが見受けられる。針には細かい傷や腐食が見られるものの、使用時には気にならない程度の状態だ。

ロレックスと言えば、スポーツ系のサブマリーナーやエクスプローラーなどが注目されているが、デイリーユースを考えている場合には、程よいサイズで装着性の良い、デイトジャストやオイスターパーペチュアルがおすすめだ。

文◎LowBEAT編集部/画像◎サテンドール

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.1601。SS×WG(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年代製。80万3000円。取り扱い店/サテンドール



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