
パテック フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンといったハイブランドにエボーシュを供給したムーヴメントメーカーとしても知られるジャガー・ルクルトは、1950年代になると完全自動巻き時計であるフューチャーマティックや、優れた耐衝撃&耐磁性能を備えたジオフィジックなど、腕時計でも数々の傑作を生み出した。
そのひとつが今回取り上げるアラームウオッチの“メモボックス”だ。
同社初のアラームウオッチが発表されたのは1950年。実は当初は“リストアラーム”という名称だったが、50年代半ば頃にラテン語の“memoria(記憶)”と“vox(音)”を組み合わせた“メモボックス”という名称をペットネームとして採用するようになったといわれている。
メモボックスの特徴とも言えるのが、“繊細なアラーム音”である。
一説には、これは先行して展開されていたヴァルカンのアラームウオッチ“クリケット”が2重構造の裏ブタを採用して反響性を高めた大きなアラーム音だったのに対して、2重構造を採用せずにあえて音量を抑えたといわれてる。これにより会議や観劇中などでも、周囲に迷惑を掛けずアラーム機能を使用できるというわけだ。
さらに56年、メモボックスは自動巻き化も実現し、世界初の自動巻きアラームウオッチとしていっそう名声を高めた。
【商品詳細】SS(35mm径)。手巻き(Cal.814)。1950年代製。44万円。取り扱い店/ケアーズ森下本店