【LowBEAT(紙媒体)の刊行形態変更のお知らせ】

2024/10/28
by 堀内 大輔

いつも当Webサイトをご利用いただき、誠にありがとうございます。

2012年に創刊した『LowBEAT(ロービート)』は、これまで4月・10月の年2回発行してまいりましたが、このたび雑誌の発売は4月の年1回での刊行に変更することになりました。

これまで『LowBEAT』は雑誌というプラットフォームを中心に情報発信を行なってきましたが、改めて読者の皆様が求める情報提供の形を熟考した結果、雑誌と当サイトLowBEAT Marketplaceという二つの軸で展開することにより、これまで以上に充実した情報発信が行えるという結論に達しました。

今後は雑誌だけでなく、例年8月に開催している「アンティーク時計フェア」、Webサイト、SNSなど様々なメディアで展開してまいりますので、引き続きご愛顧いただきますようお願い申し上げます。


編集長 堀内大輔

「昔のオトナってこういう時計してたよな」。憧れの“ロレックス”が予算50万円以下で狙える!

2024/10/25
by 堀内 大輔

はっきり言っていまのロレックスは、現行モデルもアンティークも高嶺の花になっている。現行モデルは頻繁な価格改定と長期的な円安水準に加え、需要の強さもあいまって、2次流通市場では国内定価を大きく上回る状態が続いていることは周知のとおり。アンティークモデルもそれに連れて高騰しているが、現行モデルに比べるとむしろ割安感が感じられるかもしれない。
とはいえ人気のスポーツモデルでダブルネームだ、レアダイアル仕様だといった個体になると、一気に数百万円、数千万円の価格になってしまう。

しかし、こうした高額モデルだけでなく、ちょっと視線を変えればまだまだ手が届きそうな価格帯のロレックスは存在する。狙い目は1950~80年代のベーシックモデル。モデル名でいえば、オイスター、オイスターデイト、オイスターパーペチュアル、デイトジャストあたりだ。さらに言えばエアキングやスピードキングなどもこの対象に含まれる。

この辺のモデルには、サブマリーナーやGMTマスターといった人気スポーツモデルのような派手さはない。顔つきは至ってシンプルで、どちらかというと落ち着いた雰囲気。しかし、それだけにアクがなく、誰が着けてもそれなりに似合うのだ。眺めていると「昔のオトナってこういう時計してたよな」とちょっと懐かしい気分になる。

ロレックスのすごいところは、こうした地味なモデルであってもデザインコードを継承していて、誰が見てもロレックスだとちゃんとわかるところだ。これらは流通量が多いだけに、文字盤のバリエーションも豊富で、こだわって選べば自分好みのルックスをもった個体が見つかるだろう。

機構は非常にシンプルな3針であるし、ムーヴメントやケースの耐久性が高いため、古くても実用クオリティをキープしているものがほとんどだ。調整すれば正確に動くし、ムーヴメントは手巻きならCal.1200系、自動巻きならCal.1500系を選んでおけばまず間違いない。パーツも手に入りやすく、万が一故障しても修理が効く。この辺はロレックスの強みと言える。

予算としては30~50万円くらいを見ておけばいいだろう。ひと昔前なら10万円台でも色々と選べたが、最近はさすがにその価格帯での入手は難しくなった。そういう意味ではこうした低価格モデルも高騰しているのだが、それでもこの予算で上質なロレックスが手に入るのはありがたい。


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【強い磁気のそばで働いていますか?】1000ガウスまでの耐磁性能を実現したオールドインターの代名詞

2024/10/24
by 堀内 大輔

“ペラトン自動巻き”と呼ばれる優れた自動巻きムーヴメントを開発し、“オールドインター”の愛称でコレクターから支持された往年のIWC。その代名詞的な存在のひとつが、今日まで系譜が受け継がれる耐磁時計“インヂュニア”である。

誕生は1955年。そもそもインヂュニアは高い耐磁性能を備えたパイロットウオッチのマーク11(1948年初出)を民生向けに改めたものだったといわれており、公式の耐磁性能は当時としては破格の1000ガウス(≒8万A/m)もあった。
もっとも、“民生向け”ということでマーク11とデザインが大きく異なり、搭載ムーヴメントも手巻きではなく、当時最新の自動巻きムーヴメントであった。厚みのある自動巻きムーヴメントをさらに軟鉄製のインナーケースでくるんで耐磁性能を確保していたため、ケースも約13mmとやや厚かった。このぷくっとした愛くるしいフォルムも往年のインヂュニアの魅力と言える。

ちなみに当時の価格は350スイスフランと、一般的な自動巻きモデルの約2倍と決して安くはなかった。だが、技師、パイロット、研究職といったホワイトカラー向けを強くうたったモデルのため、価格はあまり問題にならなかったようだ。


【商品詳細】SS(36mm径)。自動巻き(Cal.853)。1963年頃製。66万円。取り扱い店/ケアーズ 【ショップページに移動】


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【アンティーク時計入門・第4回】オメガ英陸軍向けなど40年代までの秒針はスモセコが主流だったのはなぜ?

2024/10/23
by 堀内 大輔

1分間で1回転する秒針。いまではセンターセコンド(中三針)と言って時分針と同じく文字盤の中央にセットされているのが一般的だが、1940年代より以前は中央ではなく、そのほとんどは6時位置の小さな円の中に独立して配置されるスモールセコンド(略してスモセコ)と呼ばれるタイプだった。

理由は単純で、昔の手巻き機械式ムーヴメントに設定されている四つの歯車には1分間に1回転する4番車という歯車があって、それに針を付けるだけで秒表示を設けることができたからだ。ちなみに文字盤中央に設定されている歯車の2番車は1時間に1回転するため分針が付く。

当時にもし秒針を分針と同じ中央位置に設置するには歯車をもうひとつ加えて(出車式またはインダイレクト方式と呼ぶ)4番車の回転運動を中央に伝える技術が必要となる。そのため40年代までは手軽に設置できるスモールセコンドタイプが主流となっていたというわけだ。

上に掲載した時計は1940年代に製造されたイギリス陸軍用の軍用時計である。スイスの名だたる時計メーカー12社(オメガ、IWC、ジャガー・ルクルト、ロンジンなど)が、軍規定のスペックシートに基づいて製造したW.W.W.こと通称ダーティ・ダース、そのオメガ版だ。

本来軍用であれば視認性的にはセンターセコンドのほうが見やすいはずなのだが、陸軍向けの規定ではスモールセコンドムーヴメントが指定されていたためメーカーが違えどもダーティ・ダースはすべてスモールセコンド仕様となっていたのである。

対して同時期にイギリス空軍向けとして支給された軍用時計はセンターセコンドタイプだった。つまりセンターセコンドができなかったわけではないが、陸軍向けは12社ものメーカーが製造を担当しなければ賄えきれないほど製造数が多かったことから生産性を優先してスモールセコンドが採用されたのではないかと言われている。

なお、センターセコンド仕様として設計されたムーヴメントが主流となるのは60年代になってからである。


【シグマダイアルって何?】ロレックスほか一部のメジャーブランドで見られたレアディテールを解説

2024/10/23
by 堀内 大輔

1945年の誕生以来、ロレックスを代表するモデルとして世界中で愛されるデイトジャスト。
センターセコンドに、小窓式のデイト表示を3時位置に配した文字盤デザインは、いまではごくありふれた3針時計の基本スタイルだが、当時としては新しいスタイルであり、今日まで最新のスペックにアップデートしつつも基本的な意匠を変えずに、80年近くも製造が続けられているロングセラーだ。

そんなデイトジャストで、レア仕様として知られるひとつが“シグマダイアル”と呼ばれるものである。

一見して普通のデイトジャストのように思えるが、文字盤6時のインデックス下をよく見てほしい。
“T SWISS T”の文字を、小文字のギリシャ文字のσ(シグマ)マークが入っていることがわかるだろう。これがずばり“シグマダイアル”と呼ばれるゆえんだ。

1970年代、クォーツ時計の登場によって地位を脅かされたスイス時計界では、その価値をより強調するための戦略のひとつとして、“金素材を用いること”を推進した。
そこで文字盤に金を使用した時計にシグママークを付与して、わかりやすい形で価値をアピールしたというわけである。ステンレススチールケースを採用したモデルで、よくシグママークが入った個体を見かけるのは、まさしく“価値を強調する”という明確な目的があったからだろう。

ちなみにこのシグママークは、ロレックス以外にも、当時設立された金産業振興協会(L'Association pour la Promotion Industrielle de l'Or、“APRIOR”)に所属したパテック フィリップ、IWC、ヴァシュロン・コンスタンタンなどの一部時計メーカーで採用されている。

しかし、実際にはシグママークが定着することなく、ロレックスでは1970年代のみと限られた期間しか採用されなかった(2007年にはAPRIOR自体が消滅している)。それゆえ、今日レアディーテルとして珍重されているのだ。

【商品詳細】ロレックス。デイトジャスト。Ref.1601。SS×WG(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1973年頃製。72万8000円。取り扱い店/ムーンフェイズ 【ショップページに移動】

【機械式クロノグラフなのに10万円台!?】レトロ顔が魅力的なセイコークロノグラフ

2024/10/22
by 堀内 大輔

1969年、三つの自動巻きクロノグラフムーヴメントがリリースされた。
ゼニスとモバードが手がけた通称“エル・プリメロ”、ホイヤーとブライトリング、ハミルトンらの通称“クロノマチック”、そしてセイコーの“キャリバー6139”がそれだ。
このなかでもっと早く製品化に漕ぎつけたのがセイコーのCal.6139であり、これが事実上世界初の自動巻きクロノグラフムーヴメントといわれている。

ご存じの人も多いかもしれないが、当時のセイコーは諏訪精工舎と第二精工舎という二つの製造拠点を有しており、キャリバー6139を手がけたのは前者。その設計は後に生まれる自動巻きクロノグラフに大きな影響を与えたといわれている。

それに対して、長年ライバル関係にあった第二精工舎が70年にリリースした自動巻きクロノグラフムーヴメントが、今回取り上げるモデルに搭載される7015系キャリバーだ。

ベースとなる自動巻3針ムーヴメントの70系にクロノグラフ機構を追加した7015系は、6139と同じ垂直クラッチとマジックレバーを持つが、ムーヴメントの厚さを5.9mm(6139は6.65mm厚)に留めている。そのため手巻き機構は省かれたが、自動巻きクロノグラフムーヴメントとしては初となるフライバック機構を備えていた。

本作で搭載されるキャリバー7016は、7015の高級版にあたり、フライバック機構に連動する同軸60分積算計を備えている点が特徴だ。
第二精工舎らしい凝った設計で機械式愛好家からの評価も高い7015系だが、名機6139の陰に隠れてあまり目立たないがゆえに、その搭載モデルの相場はそれほど高騰していない。なかには10万円台から狙える個体もあり、軒並み価格が高騰した現代の感覚からすると、非常にお値打ち感がある。

【商品詳細】SS(36.5mm径)。自動巻き(Cal.7016A)。1973年頃製。16万5000円。取り扱い店/Watch CTI 【ショップページに移動】


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【オメガが日本でも作られていた!?】手首の細い日本人向けにリサイズした日本製ケースをもつシーマスター|編集部注目のアンティーク時計

2024/10/21
by 堀内 大輔

1948年、オメガは自動巻きの防水腕時計の“シーマスター”を発表した。
今日、シーマスターといえば本格的なダイバーズウオッチを思い浮かべる人も多いかと思うが、当初のシーマスターはクラシカルな趣で、ドレスウオッチのような雰囲気であった。
とは言え、“防水”をうたっていたモデルだけに、当時としては高い30mの防水性能を有していた。

センターセコンド仕様に加えスモールセコンド仕様、クロノメーター仕様、カレンダー表示付き、さらには手巻き仕様など多くのバリエーションが展開されたことからも、人気を博したモデルだったことがわかる。

今回紹介するのは、そんなシーマスターの最上位ラインとして展開されたゴールドケース仕様の“デラックス”だ。

特筆は、日本で外装を製造した通称“ジャパンケース”を採用していること。
オメガから内部部品を輸入し、日本で貴金属外装を製造、最終組み上げを行うという独自のツールをもった1本である。当時、他の時計メーカーでもこうしたモデルは存在したが、オメガではかなり珍しい。
また手首の細い日本人に合わせリサイズもされており、ラグを手首に沿わせるショートな設計で優れた装着感を実現している点も見逃せない。

【商品詳細】18KYG(32.2mm径)。自動巻き(Cal.471)。1955年頃製。39万8000円。取り扱い店/ホワイトキングス 【ショップページに移動】


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【裏を見ただけでもわかる!?】80年代に飛ぶように売れたアンティーク時計ブームの立役者

2024/10/18
by 堀内 大輔


バブル期とも重なる1980年代、ロレックスといえばスポーツモデルよりも金無垢デイトジャストのほうが人気があった。
そんな時代に、日本におけるアンティークウオッチブームの火付け役となったのが、“バブルバック”である。
海外のファッション誌でスポットが当たったことで人気が高まり、それが日本にも飛び火するかたちだったのだが、当時を知るショップスタッフによると「店頭に並べれば飛ぶように売れた」という。
このブームに伴って、かつて10万円台でも購入できたバブルバックの相場は数倍以上に高騰。コンディションが良く、珍しい文字盤デザインだと、100万円以上という高値で取引されていた。


ちなみに、“バブルバック”とは通称であり、正式名称は自動巻き機構のパーペチュアルを載せた“オイスターパーペチュアル”である。バブルバックは、厚みのある自動巻きムーヴメントを納めるため、泡のような丸い膨らみがある裏ブタを採用していることに由来している。独特のフォルムゆえに、“裏を見ただけでもどのモデルなのかわかる”というわけである。

【商品詳細】Ref.2940。SS(32mm径)。自動巻き(Cal.NA)。1940年代製。55万円。取り扱い店/セレクト

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【トロピカルなんて呼び方も!】“味わい”として珍重されるアンティーク時計の経年変化

2024/10/18
by 堀内 大輔

【商品詳細】ベンラス。スカイシーフ。SS(35mm径)。手巻き(Cal.ヴィーナス178)。1940年代製。44万5500円。取り扱い店/プライベートアイズ [商品ページはこちら]

 

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アンティークの腕時計には、物によって経年変化が楽しめる個体が存在する。風雪を越えてきた陶器などの骨董が色味の変化を生んだりするように、時計も文字盤やベゼルが変色して褪せたような風合いを醸し出すことがあるのだ。これは当時使われていた塗料が現在のものほど質が良くなかったことが影響しており、塗料に含まれていた不純物が、湿度や紫外線によって変色したものだと考えられる。

この経年変化は、簡単にいってしまえば“劣化”なのだが、個体によってはその風合いが得も言われぬ雰囲気を醸し出し、むしろレアモデルとして歓迎されることが多々ある。市場でも珍重されて価値が上がる例が少なくない。

褪色の仕方として多いのは、黒文字盤の色味が抜けて茶色っぽく変色した個体で、これは“ブラウンチェンジ”とか“トロピカル”と呼ばれて人気が高い。ロレックスだと1960年代のミラーダイアルによく見られ、なかにはすっかり色が抜けて、オレンジに近いようなトーンになったものもある。

白文字盤がクリームっぽく変色した“アイボリー”、文字盤全面のコーティングに蜘蛛の巣上のクラックが入った“スパイダー”、ブラックやブルーの“グレーチェンジ”などと呼ばれる変化もある。文字盤だけでなくケースやベゼルもこうした変色が見受けられるが、特にゴールドケースは素晴らしい色合いを生み出すこともある。

文字盤に使われる塗料の質が大きく向上しているため、現行モデルではこうした変化はまず起こらないと考えられる。そもそも工業製品である腕時計が変色していくことは、時計メーカーにとってもできるだけ避けたいトラブルだ。ユーザーとしてもこうした変色は狙って得られるものではなく、すべてはその個体に使われていた塗料の質と、どういう環境や使い方をされてきたかにかかっている。すべてのアンティーク文字盤が変色するわけではないし、出合うのはかなりたいへんなことなのだ。一時期は経年変化風にリダンされた文字盤も多かったし、こうしたモデルが欲しいという人は、信頼できるショップを熱心に当たってみるしかないだろう。


[オメガ/シーマスター ブラックミラーダイヤル]


1968年製の金張りシーマスターで、黒のミラーダイアルがやや褪色してブラウンっぽく変色し始めている。変色度合いとしてはまだ軽度だが、今後使っていくとさらに色が抜けていくことが予想され、長く使うことで愛着が湧いていきそうな個体だ。ゴールドケースにブラウンダイアルは相性が良いので人気が高い。

【商品詳細】GFxSS(35mm径)。自動巻き(Cal.565)。1960年代製。24万8000円。取り扱い店/セレクト [商品ページはこちら]


[ロレックス/サブマリーナー] 


第3世代のリューズなしサブマリーナー。ミラーダイアルはまだらっぽいトロピカルの変色が見られ、夜光インデックスの焼け感も相まって雰囲気が良い。それでいてミラー独特のツヤ感もまだ健在で、光の角度によって様々な表情を見せる。本来はブラックだったベゼルインサートも色抜けしており、アンティークサブとしては個性的な1本だ。

【商品詳細】Ref.5508。SS(37mm径)。自動巻き(Cal.1530)。1959年頃製。679万8000円。取り扱い店/コミット銀座 [商品ページはこちら]



【ほぼ10円玉サイズ!?】1930年代後半に誕生した小型のクロノグラフムーヴメント|編集部注目のアンティーク時計

2024/10/17
by 堀内 大輔

クロノグラフの歴史は長く、1816年にルイ・モネが開発したものが原型といわれており、その直径は57.7mmあった。
パーツの点数が多く構造も複雑になるクロノグラフを小型化するは決して容易ではなく、腕時計サイズと言えるまでになるのは、1913年にロンジンが開発したCal.13.33Z(直径29mm)の完成まで待たねばならない。

その後、1930年代になると、戦場における有用性が認められたことによる需要増加を背景に、クロノグラフの設計は飛躍的に進化した。
フライバックや時積算計の追加といった機能的な進化に加え、さらなる“小型化”も図られたのである。理由は、防水ケースに納めるためだったといわれる。

こうして1936年にバルジュー社によって開発されたのが、Cal.69である。その直径は23.35mm。10円玉の直径が23.5mmのため、なお小さいムーヴメントだ。小型ながらも機能はバルジュー23にまったく同じというから驚きである。

今回取り上げるのは、このCal.69を搭載したユール・ヤンゲンセンのクロノグラフモデルだ。ケースの直径はわずか28.5mmしかないが、パウダーホワイトとシルバー(ミニッツトラック部)のツートンカラーに扁平アラビックインデックスを組み合わせた目を引く文字盤デザイに加えて、それなりにケースにも厚みがあるため、着用した際にも十分な存在感がある。

ちなみにほぼ同時期にユニバーサルも小型のクロノグラフCal.289を発表(設計はマーテル)しており、この直径も23.2mmしかなかった。
愛好家の間では、これらを“ベビークロノグラフ”と呼び、珍重している。

【商品詳細】SS(28.5mm径)。手巻き(Cal.バルジュー69)。1930年代製。55万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ

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