
ロレックスを代表するコレクションである“デイトジャスト”。
その派生モデルとして1950年代半ばに登場したのが、双方向回転ベゼルを持つ通称“サンダーバード”だ。
サンダーバードは、一説にはロレックスのニューヨーク支店が1955年に現地法人に格上げされたことを機に、同社からの提案でアメリカ市場向けにリリースされたものだといわれる。
56年、アメリカ空軍所属のアクロバットチーム“サンダーバーズ”の隊長にして同空軍の英雄でもあったドン・フェリス大佐の引退に際して、その記念品として回転ベゼル付きのデイトジャストが特別発注された。これが大変好評を博し、一般向けにも展開されたといわれており、サンダーバードの愛称はここから付いたというのが通説だ。
現に、日本でも後に販売されるようになるが、当時の日本向けカタログには“ターン・オー・グラフ”と表記されており、サンダーバードというのがアメリカだけの名称だったことがわかる。
今回取り上げるのは、1500系自動巻きを搭載したサンダーバードの3rdモデルに分類されるRef.1625のロレゾール仕様だ。
当初はくさび形インデックスやドーフィン針を採用したクラシカルな趣きだった3rdモデルだが、60年代後半以降、バーインデックスにバトン針というデザインに統一され、70年代後半まで製造された。
ちなみに回転ベゼル付きのデイトジャストは、2004年に”ターノグラフ”として復活したものの、それも現在は生産が終了している。
【商品詳細】Ref.1625/3。SS×YG(36mm径)。自動巻き。1960年代製。67万8000円。取り扱い店/WTIMES ショップページに移動
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業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。2025年最初の記事は一番に反響の大きかった「何を買ったらいいのか?」ロレックス編の続きを書きたいと思う。
その記事で狙い目ポイントして挙げたのがムーヴメント。手巻き式であれば1200系、自動巻き式であれば1500系を目安に考えるということだった。そこで今回は手巻きの1200系についてもう少し詳しく取り上げる。
前回も触れているが、販売されている時計が手巻きか自動巻きかは簡単に見分けられる。それは文字盤の12時位置に表示されているモデル名にOYSTER(オイスター)の次にPERPETUAL(パーペチュアル)の記載があるかどうかだ。オイスターとは防水ケースを意味し、パーペチュアルとは自動巻き機構のことを指す。つまり手巻きモデルにはこのPERPETUALという文字がなくOYSTERだけなのだ。
さて手巻きのオイスターの魅力は大きく二つある。ひとつは自動巻きに比べて薄くて軽いため着けやすいということ。サイズは30mmのボーイズと34mmのメンズの2種類があり、どちらも小振りのためスーツスタイルにバッチリ決まる。
トップの写真のように、革ベルトタイプだと、スポーティなブレスタイプとは趣がだいぶ異なり、ぐっと大人っぽく落ち着いた印象に変わる。加えて生産期間も50年代から80年代までとかなりのロングセラーだったこともあり、製造数も多く比較的流通量も多い。そのため年代によってはアンティーク色の強いものから、現代に近いベーシックなものまで、デザインや雰囲気もだいぶ変わり選択肢の幅の広さも魅力のひとつだ。
手巻きの1200系はシンプルな設計で壊れにくく、メンテナンス費用も安い
そして二つめは、搭載されている手巻きムーヴメント(写真)が優秀だということ。1200系はそもそもロレックスの自動巻きのベースムーヴメントとして開発されたものの最終形と言われる。そのため完成度は極めて高い。
40年近くも生産されていることからも、いかに完成度が高かったかがわかるだろう。しかも、構造がシンプルなために壊れにくく、メンテナンス費用も抑えられるため、アンティークとはいえ初心者にもリスクは少ないのだ。
この1200系だが、1950年に最初に作られたのはCal.1210(デイト表示付きは1215)。その後1967年頃に改良が加えられてCal.1220(デイト表示付きは1225)に変更された。最大の違いは毎時1万8000振動から毎時1万9800振動に振動数が高められた点だ。もちろん、振動数が高い方が精度は安定する。そのため購入の際はこの点もチェックするといいだろう。実勢価格は革ベルトなら30万円台後半から流通する。
LowBEATマーケットプレイスで手巻きのオイスターをもっと見る

軍需品にはその時代の最先端技術が惜しみなく注ぎ込まれる。時計も例外ではなく、腕時計の進化にはミリタリーウオッチが常に重要な役割を果たしてきた。過酷な状況の戦地でも正確な時を刻む防水性や耐衝撃性、ミッションを完璧に遂行するために不可欠なクロノグラフ機能など、求められる要求基準はハイレベルなのだから、考えてみれば当然の話なのだ。
アンティーク時計市場でも、ご存じのようにミリタリーウオッチの人気は高い。実際にプロが道具として使ってきたという背景が感じられるうえに、タフで無駄のない質実剛健なルックスはやはり魅力的だ。初期のミリタリーウオッチが開発されたのは19世紀後期のことで、当時は懐中時計に保護用のカバーを取り付け、腕に巻けるようにベルトを取り付けられるワイヤーラグを追加したシンプルなものだったが、ボーア戦争や第1次大戦期に軍用腕時計は大きく進化。陸・海・空と部隊が専門化していくにつれて、時計の機能もそれぞれに最適化されたモデルが生まれていった。第2次大戦期になると海軍の特殊部隊用に防水性を高めたモデル、空軍用に耐磁性に優れたアビエーションウオッチなども生まれている。現代に通じるようなダイバーズウオッチやクロノグラフがさらに発展していったのは、第2次大戦以降のことだ。
市場で人気が高いミリタリーウオッチは、第2次大戦期に使われていたもの、あるいは大戦終結後に生まれたものだ。第2次大戦期で特に人気が高いのは、イギリス国防省が陸軍用に発注したW.W.W.(Watch Wrist Waterproof)。発注先はビューレン、シーマ、エテルナ、グラナ、ジャガー・ルクルト、レマニア、ロンジン、IWC、オメガ、レコード、ティモール、バーテックスの12社で、“ダーティー・ダース”の愛称で知られている。仕様は軍の調達基準に基づいているため、どのブランドも似通っており、ブラック文字盤に夜光塗料入りのアラビア数字インデックス、スモールセコンドとシンプルで見やすいデザインだ。ミリタリーウオッチファンにはこのダーティー・ダースを全種類集めるのが夢だという人も少なくないが、特にグラナは製造本数が1000~1500本と群を抜いて少なく、市場にもほとんど出回らない。ほかにもエテルナあたりは現存数が少ない。
第2次大戦後の1950~60年代モデルは、ダイバーズやクロノグラフなど機能的にも充実した個体が多く、いまでも実用できるものが多い。モデルバリエーションが多いので集める楽しみもひとしおだ。この時期から時計は大量生産されるようになって価格も下がったことから、仕様も徐々に簡略化されていった。また壊れたら修理するのではなく、そのまま捨ててしまうというディスポーザブルウオッチが増えていったのは70年代以降のことだ。
ただでさえ過酷な環境で使われることが多かったミリタリーウオッチは、状態が良いままで残っている個体は少なく、それだけで価値が高い。その辺の見極めがなかなか難しいので、特に初心者には、ミリタリーウオッチの扱いに長けたショップで購入するのをおすすめする。
【商品詳細】IWC。マーク10 イギリス陸軍。SS(35mm径)。手巻き(Cal.83)。1940年頃製。93万5000円。取り扱い店/プライベートアイズ [ショップページはこちら]

アンティークのIWCは、“オールドインター”の愛称で広く時計ファンに親しまれている。デザイン的にはシンプルで質実剛健。これはIWCがスイスでもシャフハウゼンというドイツ語圏に本社があることに起因しているのかもしれない。道具としての時計というコンセプトを徹底的に追求しており、見やすいデザイン、高い精度と耐久性、メンテナンスへの配慮などを大事にした設計思想が貫かれている。
オールドインターの世界に魅せられた時計ファンは多いが、初心者にとって狙い目は“ペラトン式”と呼ばれる自動巻きムーヴメントを積んだモデルだろう。1950年から70年代後半に至って製造されたロングセラーで、実用面での秀逸さでIWCの名前を大きく知らしめた傑作だ。しかもいまでも市場での流通量が比較的潤沢で探しやすく、価格も同時代のロレックスの1500系キャリバー搭載機などと比べるとかなりこなれている。質では決して引けを取らないだけに、お値打ち感は高い。
ペラトン式は当時の技術責任者だったアルバート・ペラトンが開発したムーヴメントで、人気を集めつつあった自動巻きモデルの開発が、まだ技術力の高い一部メーカーに限られていた時代の産物だ。製造コストを下げるために組み立ての効率をアップしつつ、耐久性と精度は高レベルをキープするという命題に答えたものだった。爪で中間車を引っかけて巻き上げ効率をアップすると同時に、激しい巻き上げに対応するために摩耗を抑えた設計を導入。さらに巻き上げ用のローターとラチェットを分離設計することで、ローターに耐衝撃性をもたせ、強い衝撃によるトラブルを最小限に抑えることに成功している。パーツは肉厚なものを採用しているため耐久性は高かったが、その設計構造もあって初期のペラトン式はかなり厚みがある。これも世代を重ねるごとに薄型化が図られていった。
最初のムーヴメントCal.85は1950年に発表されており、これはかなりレアだが、その後にCal.852系→853系→854系と進化を重ねて、徐々に設計も洗練されていった。日付け表示付きやハック機能付きなどのバリエーションも生まれており、当時のIWCの豊富な製品ラインナップを支えていた。特にオススメできるのは、ペラトン式の完成形と呼ばれる853系以降のモデルだろう。いまでも状態が良く、十分実用になる個体が多く見つけられる。
業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。
これまでに、初めて購入する際に何を狙ったら良いのかを、ロレックス、オメガ、IWCとブランド別に解説してきたが、今回は番外編として、“予算10万円”で狙える国産アンティーク”を紹介する。
セイコー
52 ロードマチック スペシャル
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第二精工舎が開発した薄型自動巻き52系キャリバーを搭載した、ロードマチックのスペシャルバージョン。1970年から製造が開始され、その薄いムーヴメントを生かして様々なケースデザインが展開された。
【商品詳細】金メッキ(34mm径)。自動巻き(Cal.5216)。1973年製。5万8300円。取り扱い店/Watch CTI ショップページに移動
シチズン
デラックス

シチズン初の“本格的薄型男性用中3針腕時計”として1958年に登場した“デラックス”。当時、同モデルは生産が間に合わないほど好調な売れ行きで、シチズンの公式サイトによると、デラックス1機種で100万個を達成するなど、同社を代表する製品であった。
またいくつかのバリエーションが展開されたが、そのなかでも文字盤に“三ッ星マーク”が入ったものは、特別な調整が施されており、優れた精度を誇った。
【商品詳細】金張り(37mm径)。手巻き。1950年代製。6万6000円。取り扱い店/BQ 商品ページに移動
セイコー
ラウンドモデル

インデックスなどを一切省いた、シンプルながら存在感のあるデザインが目を引くセイコーの手巻きモデル。ケースデザインもさることながら、文字盤もグレー×ブラックと、左右で異なるユニークな2トーン仕様になっている。
【商品詳細】金張り(33mm径)。手巻き。1976年頃製。6万円。取り扱い店/セレクト 商品ページに移動
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各国で軍用クロノグラフの運用が本格化するのは第2次世界大戦後だが、ドイツでは1930年代に早くも軍用クロノグラフの運用を開始していた。
当初はドイツ航空省が国内の輸入業者をとおして、スイス製のクロノグラフを海軍や空軍に支給しており、確認されているものではレマニアやミネルバが比較的多く、ほかにはブライトリングやユニバーサル、ホイヤーなどもあった。
その後、軍事作戦上、特に高い精度が要求される軍用時計については、基本的にドイツ国内の時計メーカーが製造を担うようになる。A.ランゲ&ゾーネやラコ、ストーヴァ、ヴェンペなどは、Bウオッチの名で知られる3針のパイロットウオッチの製造を担った。
対して軍用クロノグラフの製造を担ったのが、チュチマとハンハルトである。
今回取り上げるのは、ハンハルトが手がけた軍用クロノグラフの初期型だ。
クロノグラフのスタート、ストップ、リセットをひとつのボタンで行うワンプッシュ式の手巻きCal.40を搭載。回転ベゼルとスムースベゼルのタイプが存在しているが、この個体は後者で、主に海軍が使用したといわれる(回転ベゼル仕様は主に空軍)。
ちなみに終戦後、ハンハルトの施設がフランスの占領地域にあったことからフランスが接収。ハンハルトのクロノグラフは、針とデザインと“ヴィクサ”と名を変えてフランス軍が使用した。
【商品詳細】メッキ(41mm径)。手巻き(Cal.40)。1940年代製。83万6000円。取り扱い店/Curious Curio ショップページに移動
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世界的なドイツの自動車メーカー、ポルシェ創設者の孫であり、名車として知られる911や904を手がけたフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが1972年に設立したデザインスタジオ、ポルシェデザイン。今日、多彩なプロダクトをプロデュースしている同社が最初に手がけたのが、実は時計である。
とは言え、当初時計製造における専門知識をもたないデザインスタジオだったゆえ、ほかの企業と提携を結んでいた。それがオルフィナ、IWC、エテルナの3社である。
なかでも多くのヒット作を生んだのが、78年から97年まで提携が続いたIWC時代だ。
78年に登場したコンパスウオッチを皮切りに、チタニウムクロノグラフなど、洗練された意匠と機能性を両立した時計を輩出。いずれも名作揃いだが、なかでも最大のヒット作となったのが“オーシャン2000”である。
このオーシャン2000は、もともと旧西ドイツ軍からの要請を受けて開発された軍用ダイバーズとして1982年に誕生した。今回取り上げているのは、その基本デザインを踏襲しつつ、細かい仕様を変えて同時に展開された市販用のモデルだ。軽量なチタン外装に加え、2000m防水のハイスペックを備えた同作は、従来のダイバーズウオッチと一線を画すスマートな意匠も人気を博した。
ちなみに、軍用モデルではオレンジの分針、ブラックベゼル、文字盤右上にトリチウム夜光を使用していることを示す“3H”の文字(表記がない個体もあり)を備えており、一見して違いがわかるようになっている。製造数も少なく、ミリタリーウオッチファン垂涎のモデルだ。
【商品詳細】Ref.3504。TI(42mm径)。自動巻き(Cal.37521)。1980年後半製。107万8000円。取り扱い店/BEST VINTAGE ショップページに移動
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ロレックスを代表するモデルであり、ダイバーズウオッチの代名詞としてあまりにも有名な“サブマリーナー”。
1953年の登場以来、性能面での進化を繰り返しながらも基本デザインを大きく変えることなく、今日まで製造されており、ロレックスのコレクションのなかでも安定した人気を獲得しているモデルだ。
当初ノンデイト仕様のみの展開だったサブマリーナーに初めてデイト表示が備わったのが1960年代後半。自動巻きの1500系キャリバーを搭載したRef.1680からである。
そんなRef.1680でレアディテールとして知られているのが、通常は白で記されている文字盤のモデル名表示が“赤”で記された通称”赤サブ”だ。この赤サブは1680の初期製造分の一部に見られ、希少性もさることながら、見た目のカッコ良さからも愛好家からの人気が高い。
では、なぜ赤で記されたのか。
その理由はノンデイト仕様とデイト仕様を区別するためだったといわれる。
ちなみに、サブマリーナーの上位モデルで同時期に展開されたシードゥエラーのRef.1665にも同様のレアディテールを備えた個体が存在している。
もう少しマニアックな視点でみると、今回取り上げる個体は防水表記がメーターファーストとなっていることに加え、モデル名は白字の上に赤字が塗られているマーク2ダイアル仕様だ。
【商品詳細】SS(40mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年頃製。459万8000円。取り扱い店/コミット銀座 ショップページに移動
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業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。今回はオールドインターことアンティークのIWCについて解説したいと思う。
オールドインターといえば真っ先に思い浮かぶのは航空時計でありイギリス軍に制式採用された手巻きの“マークシリーズ”だろう。しかし入門機として狙うのであれば、ペラトン自動巻きを搭載したモデルがおすすめだ。
理由は高い信頼性と高精度、そして高い巻き上げ効率を誇る自動巻きムーヴメントの傑作として、すでに取り上げたロレックスの1500系やオメガの550系と並ぶ存在だからだ。
1950年に開発されたキャリバー85に代表されるペラトン自動巻き最大のメリットは、ラチェット式という機構を採用したことで少ない巻き上げ角度でも効率よくゼンマイが巻き上がる点だ。
これを搭載したモデルには、耐磁時計の“インヂュニア”、ダイバーズウオッチの“アクアタイマー”、そしてスポーツウオッチの“ヨットクラブ”などペットネームが付く有名モデルが名を連ねる。特に前者二つについては、アンティークとなると100万円以上と高額になるため、入門機として挙げるにはいささか厳しい。そこでおすすめしたいのは三つ目に挙げたヨットクラブだ。
キャリバー854が搭載されて67年にリリースされたこのヨットクラブだが、ムーヴメントをインナーケースに入れて五つのゴムパッキンで宙吊りにし耐震性を高めるなど実用性は高い。これは後にインヂュニアにも採用されたほどだ。
見た目は地味だが実のところデザインをしたのは、オーデマ ピゲのロイヤルオークやパテック フィリップのノーチラスのデザインで知られるジェラルド・ジェンタと奥は深い。しかも20万円台から手に入れられるというのも大きな魅力だ。
【ペラトン自動巻きムーヴメントリスト】
Cal.85(1950年)・・・センターセコンドを採用したIWC初の量産型自動巻き
Cal.852(1952年)・・・Cal.85の毎時1万8000振動から1万9800振動へ
Cal.8521(1952年)・・・Cal.852のデイト付き
Cal.853(1958年)・・・ペラトン自動巻きの完成機
Cal.8531(1959年)・・・Cal.853のデイト付き
Cal.854(1964年)・・・Cal.853を小型化したムーヴメント
Cal.8541(1964年)・・・Cal.854のデイト付き
Cal.854B(1976年)・・・Cal.854の再改良版
Cal.8541B(1976年)・・・Cal.8541の改良版