【二つのリューズがかわいらしい】クロノグラフの名門が生んだアラームウオッチ

2025/04/22
by 菊地 信


クロノグラフの名門として名高いギャレットは、1950年代に巻き起こったアメリカでのアラームウオッチブームに乗じてア・シールド製のムーヴメントを活用し、このアラームウオッチをリリースした。当時のギャレットがクロノグラフに注力していたことを考えると、生産本数は少なかったことが考えられる。

搭載されるCal.AS1475は当時のアラームウオッチに数多く搭載された汎用機であり、各メーカーのアラームウオッチ生産を支えた傑作と言えるだろう。シンプルで故障が少なく、生産性の高い手巻きのムーヴメントであるため、各社がこぞって採用していたことにもうなずける。

文字盤は、12、3、6、9 の位置にアラビア数字と、アラーム時間を示す赤い先端の針が特徴的な可愛らしいデザインだ。ブランドロゴの“G”を注目すると、“2:50”を指す針が描かれており、ほかのモデルには見られない特徴が確認できる。
ケースの右側には二つのリューズが取り付けられており、2時位置のリューズはアラーム用ゼンマイの巻き上げとアラームの設定に、4時位置のリューズは時計本体の巻き上げと時刻調整として割り振られている。誤動作や故障しにくいシンプルな構造は、使用者にとっても扱いやすく、操作性の向上にも貢献しているのだ。

また、36mm径の小振りなケースと、手首に沿う形状のラグは装着感の良さを高めている。裏ブタにアラーム用のピンを立てる必要があることから、気密性の高いスクリューバック式のケースを採用できなかったアラームウオッチだが、このモデルでは、リング型のスクリューで裏ブタを押し付ける方式を採用し、スナップバック以上の気密性を確保している。

金張りケースを採用した華やかな見た目だが、実用性を重視した堅牢な作りこみからはギャレットらしさを感じられる。どこか脱力感のあるアプライドのアラビアインデックスとケースデザインが柔らかな雰囲気をただよわせる実用時計だ。

文◎LowBEAT編集部

【写真の時計】ギャレット アラームウオッチ。GF(36mm径)。手巻き(Cal.AS 1475)。1950年代。32万8000円。取り扱い店/WatchTender 銀座

【キングセイコー】控えめな見た目だけど高性能!曲線ケースが美しい“56KS”

2025/04/21
by 菊地 信


1970年製造の、キングセイコー第3世代の56KS。
56KSと言えば、44GSによって確立された“セイコースタイル”を彷彿とさせる、エッジをきかせたケースデザインを思い浮かべる人も多いだろう。

だが、今回紹介するモデルはそれとは対照的に曲線を基調としたやわらかなケースデザインをもつ1本だ。1970年代らしい特徴的なトノー形のワンピースケースは、なんとも言えない愛嬌を感じられる。
しかし、ケース裏面はセイコーらしいかっちりとした造形で、中央部にはKSのメダリオンが鎮座している。

さらにこのモデル最大の特徴として、6時方向のラグ間にあるネジを開けることで中の緩急針を調整できる、“外部微動緩急調整”機能が備わった点も見逃せない。これはグランドセイコーにも見られない、ワンピースケースの56KSだけにあたえられた調整用機能だ。
こういった目に見えない隠れたギミックは、精度を追求していた当時のセイコーらしさを感じる。また、カレンダー機能をこぞって採用していたこの年代の時計としては珍しく、カレンダー機能をもたないノンデイトモデルですっきりとした文字盤デザインだ。56系のウィークポイントとも言えるカレンダー機構がついていないことも、実用を考えている人にはうってつけだろう。

キングセイコーと言えばエッジの効いた鏡面ケースが第一に挙げられるが、角がなくスリムなケースは袖に納まりやすく、サテン仕上げを施すことによってぎらつきを抑えているので悪目立ちしない。面倒な腕時計論争に巻き込まれそうになれば、時計をスーツの袖に隠すことで、角を立てることなく華麗にスルーできるだろう。初めての国産アンティークを探している人、落ち着いたビジネスウオッチを探しているという人にはぜひチェックしてもらいたい1本だ。

文◎LowBEAT編集部

【写真の時計】セイコー キングセイコー。Ref.5621-7000。SS(36mmサイズ)。自動巻き(Cal.5621A)。1970年頃製。11万8000円。取り扱い店/SELECT

Information about “The 6th Antique Watch Fair in Ginza” for our overseas customers

2025/04/18
by 菊地 信

The 6th Antique Watch Fair in Ginza, an antique watch sales event, will be held at Ginza Phoenix Plaza on August 2 (Sat.) and 3 (Sun.).

Tickets can be purchased at the venue on the day of the event.           

The price is 6,500 yen for Early Time Ticket / 1,200 yen for General Ticket.

 

[Schedule]

Saturday, August 2, 2025

10:00-12:00 / Early Time

12:00-17:00 / General (*Admission closes at 16:30)

 

Sunday, August 3, 2025

10:00 - 16:00 / General (*Admission closes at 15:30)

 

*A paid ticket is a two-day pass, so it is possible to re-enter the venue or to enter on a different day (by presenting the ticket again). However, please note that you may be asked to wait for re-entry depending on how crowded the venue is.

Children under elementary school age and pets are not allowed in the Main Hall. (A waiting room is available.)

 

*Acceptance will begin 30 minutes prior to the entrance start time.

Please note that you may be asked to wait in the event of congestion even after the ticket acceptance time.

The last entry time will be 16:30 on 2nd August (Sat) and 15:30 on 3rd August (Sun).

【文字盤はマーブル模様!】セイコーの2針ドレスウオッチが驚きの“5万円台”

2025/04/18
by 菊地 信


目を引くブルー&ブラックのマーブル模様が魅惑的な1974年製、セイコーの2針ラウンドモデル。

時分針のみの2針とアラビア数字のインデックスは、白文字で実用性もしっかりと考えられた作り。当時は“ドレスウオッチ・スタイルウオッチ”シリーズとして販売されていたモデルだ。このシリーズはのちに“シャリオ”と名を改めている。ケースコンディションも良く、手首に乗せた時のフィット感と雰囲気が抜群な1本だ。

搭載されるムーヴメントは手巻き2針のCal.2220。小径ながら毎時2万8800振動のハイビートかつ、24石の高性能なムーヴメントである。セイコードレスウオッチの中でも、薄型2針で有名な68系と比較すると、ムーヴメントの厚みや希少性の観点から見劣りしてしまうかもしれない。しかし、流通量の多さや十分に薄いケースをみれば、手ごろな価格で入手できる2針ドレスウオッチとしては数少ない選択肢のひとつであると言えるだろう。
何より、アンダー10万円でここまで薄型の手巻きドレスウオッチはまず見つからない。装着した際には、ケース底面の形状も相まってシャツの中にすっぽりと納まる薄さに仕上がっている。

シンプルでトラブルの少ない2針の手巻き時計は、腕時計を使う頻度が少ない人にこそオススメしたい。手巻き時計の場合、定期的にオーバーホールさえ行っていれば、使いたいときにゼンマイを巻き上げて時刻を合わせるだけで良いからだ。この手軽さは手巻き時計ならではの魅力ではないだろうか。
連れ出す前にゼンマイを巻いてエネルギーを与えるという行為は、腕時計が相棒のような存在に感じられ、よりいっそう愛着が湧くだろう。

文◎LowBEAT編集部

【写真の時計】セイコー ドレスウオッチ・スタイルウオッチ。Ref.2220-0460。SS(34mm径)。手巻き(Cal.2220)。1974年頃製。5万5000円。取り扱い店/SELECT

【文字盤が天然石?!】70年代にセイコーが生み出したクォーツ時計の最高峰

2025/04/16
by 菊地 信

セイコーがかつて展開したモデルに“V.F.A.”の名をもつものがある。
これは“Very Fine Adjusted”の略称で、つまりは非常に高度な調整を施したキャリバーに与えられる称号だ。 18金ホワイトゴールドのケースには、世界にクォーツという名を広めたV.F.A.3820クォーツムーヴメントが納められている。

また外装も非常に凝っていてエングレービングが施された18金ケースと、天然石の文字盤を採用しており、当時の高級機種であったことを感じさせる。純正の18金ホワイトゴールド尾錠がついていることにも注目していただきたい。ケースと文字盤のコントラストが手首を鮮やかに彩ってくれる1本だ。

当時のカタログによれば、天然石の文字盤は、赤十勝石、ソーダライト、タイガーアイ、ヘマタイトのバリエーションが用意されており、この個体はソーダライトが用いられていることがわかる。さらに、文字盤は天然石から作りだされているため、同一のモデルは存在するが、まったく同じ模様はこの世に存在しないのだ。その特別さは高級時計としての魅力を十分に引き出しているのではないだろうか。

なおこの個体は1973年に製造され、貴金属や宝飾品を用いた高級腕時計“セイコー特選時計”というシリーズにラインナップされていた。発売当時のカタログでは53万円という、現代の感覚としても十分高価な価格だが、同時代のステンレスブレス付きの56GSが4万9000円であったことを考えると、18金ホワイトゴールドのケースであったことを考慮しても、かなりのハイエンドモデルに位置付けられていたことがうかがえる。

当時の日本の時計産業の粋を集め、究極の腕時計として生まれたV.F.A.クォーツ。スイスの時計産業を超えようと切磋琢磨した証であるということは、その完成度から伝わるのではないだろうか。

【写真の時計】セイコー クォーツ V.F.A.。Ref.3820-6000。K18WG(約36mm径)。クォーツ(Cal.3820)。1973年頃製。118万8000円。取り扱い店/BEST VINTAGE

文◎LowBEAT編集部

【34mmサイズに凝縮】ボールベアリング採用で有名な“エテルナ”を代表する自動巻き時計

2025/04/15
by 菊地 信


ローターの回転軸に、世界で初めてボールベアリングを採用した自動巻きムーヴメントを開発したことで知られるエテルナ。
今回紹介するのは、その代表作でもあるエテルナマチック コンチキの希少な1stジェネレーションのなかでもほとんど見ることのない34mm径のレアピースだ。
ドーフィン針を備えるユニークな夜光インデックス仕様のブラックミラーダイアルや、回転ベゼルを備えないスクリューバック防水ケースなど、1stジェネレーションならでは様相はそのままに、34mm径に凝縮された絶妙なサイズ感が素晴らしいテイストの逸品である。

メタルで縁どりされたトライアングル型のインデックスのなかに、さらにアプライドのアラビア数字が配されたユニークなデザインは高級感を演出するとともに、視認性の向上にひと役買っている。
そして"KONTKI"刻印がなされた同年代のゲイフレアー社製オリジナルブレスレットが個体の希少性をさらに高めている。小さなステンレス板を巻いてつくられたブレスレットは、軽量かつ丁寧に面取りされたやわらかい装着感であり、一度でも身に着けると手放せなくなってしまうほど上質な着け心地だ。

搭載されるムーヴメントはCal.1410。今日のETAムーヴメントの礎となった、ローター軸にボールベアリングを採用した名作である。
ボールベアリングの軸とリバーサー式の巻き上げ機構を採用した近代的な設計は、現代においても十分な性能を発揮するだろう。

スポーツ系のアンティークウオッチがほしいが、誰とも被らない時計がほしい。あえてマニアックなチョイスをしたいという人にはもってこいの1本だ。ただし、製造から少なくとも60年以上経過しているため、自動巻きのリバーサーが摩耗している可能性がある。エテルナマチックに興味のある人は、専門店で整備済みの個体を購入したほうがいいだろう。

【写真の時計】エテルナ エテルナマチック コンチキ。SS(34mm径)。自動巻き(Cal.ETA1410)。1960年代製。79万2000円。取り扱い店/プライベートアイズ

文◎LowBEAT編集部

【ビッグロゴが愛らしい】ニバダが1950年代に手がけたショップウオッチ

2025/04/14
by 菊地 信

1950年代製造のポルチェロ“アクアマチック”は、クロトン・ニバダがアメリカの宝飾店“ポルチェロ”の依頼を受けて製造を行ったショップウオッチだ。ニバダといえば、2019年にウオッチブランド“ウィリアムエル1895”を立ち上げたギョーム・ライデ氏と、時計メーカー“モントリシャールグループ”のオーナーであるレミ・シャブラ氏がニバダのブランドライセンスを獲得し、現代に復活したことで名前を知っているという人もいるだろう。

今回紹介するモデルのデザインをよく見ていただきたい。現ニバダ・グレンヒェンが復刻した“ANTARCTIC(アンタークティック)”に似たディテールを備えている。それもそのはず、旧クロトン・ニバダの名でもポルチェロ アクアマチックと同様のモデルを“ANTARCTIC PENGUIN(南極ペンギン)”と名づけて販売していたのだ。

この個体は、大胆なビッグロゴデザインや抽象化されたアラビアインデックス、きめ細かいマットホワイトのダイアル、ミドルケースからラグにかけて緩やかにカーブしたドレッシーな防水ケース、赤メッキが美しい自動巻きムーヴメントの搭載など、デザイン性や作り込みなどマイナーながらも面白みを感じさせる逸品だ。
搭載するムーヴメントはETA 1256。中3針の手巻きムーヴメントをベースに、自動巻きユニットをかぶせた、当時の自動巻きムーヴメントによく見られる設計を採用している。

ベゼルレスケースからは50年代当時のウオッチデザインの流行を感じられるとともに、ステンレスの加工が容易ではなかった時代の時計とは思えない造形を実現していることから、クロトン・ニバダの高い技術力を感じられる。

端正でありながら、どこか愛らしさも感じられるデザインは、場面を問わずに使用できるだろう。実用性の高いアンティークウオッチとしておすすめの1本だ。


【写真の時計】ポルチェロ アクアマチック。SS(33.5mm径)。自動巻き(Cal.ETA-1256)。1950年代製。

文◎LowBEAT編集部

【ロレックスやオメガだけじゃない!】『007』にひっそりと登場した、知られざる“ボンドウオッチ”

2025/04/11
by 菊地 信

ティソといえば、50年以上にわたってスポーツ競技のタイムキーパーとしても活躍し、過酷な環境下での使用を想定したスポーツウオッチを数多く生み出してきた。

今回取り上げるティソ シースターダイバーも例にもれず、スポーツシーンを想定して作られたティソPRシリーズのひとつだ。
ティソの公式サイトによれば、PR516の“PR”には“Particularly Robust(特に頑丈)”、そして“Precision and Resistance(精度と耐久性)”といった意味が込められており、“516”には、ティソとして5番目の防水対応のシリーズで16番目のモデルであることを意味しているそうだ(もっとも、当時“PR516”の名をもつモデルが様々なデザインで展開されていたため、単に何番目のモデルかを示すだけではなく、別の意味があった可能性はある)。
このモデルは回転ベゼルを備えており、ソリッドな質感のケースと相まって70年代のスキンダイバーらしさを感じられる。グレーに退色したゴーストベゼルも味わい深い。

ムーヴメントは当時のティソに数多く搭載されていたCal.784-2。汎用の3針自動巻きだが、毎時1万8000振動のロービートながら精度もよく、さらにムーヴメントをやわらかい樹脂スペーサーと機止めネジで浮かせる耐衝撃構造を採用し、その名に恥じぬ耐久性を実現している。

そしてなにより、PR516のダイバーは“007シリーズ”でジェームズ・ボンドが着用した、いわゆる“ボンドウオッチ”のひとつとされている点は見逃せないだろう。
歴代ボンドウオッチには、オメガやロレックス、ハミルトン、セイコーなどの時計が採用されており、重要なスパイアイテムとして映画を彩ってきた。

対してティソのPR516は、劇中でクローズアップされることはなかったものの、シリーズ8作目の『007/死ぬのは奴らだ』で、ジェームズ・ボンド役のロジャー・ムーアがボートでのチェイスシーンで着用しているとされる。

今回取り上げたモデルは、映画に登場したモデルとは文字盤や針などのディテールが異なるものの、隠れたボンドウオッチとして楽しめる1本なのではないだろうか。

【写真の時計】ティソ シースターダイバー。SS(35.5mm径)。自動巻き(Cal.784-2)。1960年代製。17万6000円。取り扱い店/Watch CTI

文◎LowBEAT編集部

【キングセイコーの名を冠した懐中時計?】高級感あふれる70年代の和装向け懐中時計

2025/04/10
by 菊地 信


今回紹介するのは、1970年代に製造されたキングセイコーのポケットウオッチだ。

外装に銀が使用された重量感のあるスクエアケースの懐中時計で、ムーヴメントはハイビート自動巻きのCal.5621を搭載している。一見、オイルライターにも見えるケースデザインが特徴的だ。

面白いのは通常の懐中時計とは異なり、和装で携行することを想定し、チェーンの先端を帯に差し込めるようになっている点である。樹皮を模したような文字盤テクスチャーと、槌目加工によって輝きを抑えた銀無垢のケースからは和の雰囲気を感じられ、和装にふさわしい時計として熟考されたデザインであることがうかがえる。そこにローマンインデックスを使用することで、落ち着きがありながらもスタイリッシュで洗練された印象にまとめている。

懐中時計に自動巻きのムーヴメントを使用する一見変わった組み合わせだが、Cal.5621の巻き上げ効率と携帯精度の高さ、手巻きが可能であるという点から、日常生活においての実用性を重視した結果なのだろう。純正のケースカバーが付属し、傷がつくリスクを軽減できるのも、うれしいポイントだ。
写真は和装での携行を想定したチェーンが装着されているが、付属する提げ紐に交換することで、スーツスタイルでの使用も違和感なくこなせるだろう。スクエア形の個性的なケースデザインがひと際目を引く、国産アンティークらしさにあふれたユニークピースだ。

特に、今回紹介する個体は発売当時のボックスとその他付属品が揃ったコレクター必見の逸品である。時計コレクターではない人にとっても、ライターのように懐から取り出し時間を確かめる、渋いオトナのアイテムとしていかがだろうか。


【写真の時計】KING SEIKO Pocket watch。シルバー(34×39.5mm サイズ、11mm厚)。自動巻き(Cal.5621)。1970年代製。16万5000 円 /BQ


文◎LowBEAT編集部



第3回【50万円以下の予算でロレックスのアンティークを買う】オイスターパーペチュアルを狙う!

2025/04/09
by 堀内 大輔

第2回では購入の目安となる1500系の自動巻きムーヴメントについて解説した。そこで今回はその1500系を搭載しつつも50万円以下でも買える「オイスターパーペチュアル」について紹介する。

オイスターパーペチュアルとは防水のオイスターケースを使用した自動巻き(パーペチュアル機構)モデルのことを指す。そのため人気の高いサブマリーナー、エクスプローラーも然り、オイスターケースに自動巻き仕様のモデルはすべて「オイスターパーペチュアル サブマリーナー」のように表示される。ちなみにオイスターケースを使っているものの手巻きムーヴメントを搭載している場合は単に「オイスター」だけとなる。

ロレックスの自動巻きモデルのなかで最もベーシックなラインであるオイスターパーペチュアルは、後に日付表示があるオイスターパーペチュアルデイトが登場して当時は2種類がラインナップしていた。

デイト無しが搭載する自動巻きムーヴメントは、当時のエクスプローラーと同じキャリバーナンバーで、クロノメーター仕様に毎時1万8000振動のCal.1560だ。これは70年代前後に毎時1万9800振動にアップした1570に移行し性能も向上している。そのためムーヴメントのこのキャリバーナンバーの違いも覚えておきたいポイントだ。そして1500系搭載モデルの製造は1960年代から70年代。その後は2008年に復活するまで長期間製造されていない。

写真のエンジンターンドベゼルを使用したRef.1007以外にも1002、1003、1005、1008(アメリカ市場向けゼファー)、1013(36mmのビッグオイスター)、1014(金張りケース)、1018(36mmのビッグオイスター)といった様々なバリエーションが存在する。そのためレファレンスによっても相場はバラバラだが、ベーシックなタイプだとギリギリ50万円切る価格で流通している。

一方のオイスターパーペチュアルデイトの1500系搭載モデルは一般的なスムースベゼルのRef.1500のほかにエンジンターンドベゼルのRef.1501、さらには18金無垢モデルもラインナップしていた。製造年代は1960年代から80年代までと比較的に長く、その後もモデルチェンジを繰り返しながらも生産は継続されている。

ムーヴメントはデイトジャストと同じクロノメーター仕様で毎時1万8000振動のCal.1565。ただ、このデイト表示には当初は24時に日付がカチッと変わるデイトジャスト機構が装備されていなかった。こちらも70年前後から毎時1万9800振動のCal.1575に変更。この頃からデイトジャスト機構も装備されるようになったと言われる。

時計:ロレックス オイスターパーペチュアル。Ref.1007。自動巻き(Cal.1560)。1960年代製。 49万8000 円/SELECT

文◎LowBEAT編集部