【エル・プリメロだけじゃない!】ゼニスが生んだ手巻きの傑作クロノメーター

2024/12/17
by 堀内 大輔

かつて、時計メーカーが精度を競ったスイスの天文台クロノメーターコンクール。いわゆるクォーツ革命前夜の1967年まで開催されていたこの天文台コンクールにおいて、その誕生当初から参加し、華々しい結果を残したのが、ゼニスが誇る名機Cal.135である。
エフレム・ジョバンが天文台クロノメーターコンクール向けに設計し、48年に登場したCal.135は、コンクール参加初年の48年と50~54年にわたる合計6回もヌーシャテル天文台において1位を獲得した。それだけでも驚くべき成果だが、そのうち48年、50年、54年に至っては、1位だけでなく、2~3位まで独占したというから、当時、他社に比して、いかに精度が高かったかの何よりの証左にほかならない。

前述のとおり、そもそも天文台クロノメーターコンクール向けに開発されたCal.135であったが、後に標準クロノメーターとして市販化もされている。
天文台クロノメーターコンクールに初参加の1948年から、製造が中止になる62年まで、合計約1万1000個生産されたが、これは同時期の他社の天文台向けクロノメーターの生産個数と比較するとかなり多い。
例えば、Cal.135と同じく、時計愛好家から高い評価を得ている天文台コンクール専用エボーシュであるプゾーCal.260の場合、ムーヴメントの製造期間は43~71年(異説あり)までと、Cal.135よりも長いが、その生産数は3302個(異説あり)と、Cal.135の3分の1以下しかない。
その意味で、Cal.135はヌーシャテル天文台コンクールで6回も1位を獲得した名機にもかかわらず、実は他社の天文台向けクロノメーターに比べれば、はるかに探し出しやすいのが特徴である。

とは言え、元来、天文台クロノメーターコンクール向けとして設計されたため、ムーヴメントの仕上げや輪列に配された四つの巨大な穴石など、市販機としてはコストが掛かりすぎたため、残念ながら14年で製造中止となってしまった。 だが、独創的な形状の微動緩急針や、面取りされ、美しい装飾が施された受けなど、量産機には見られない特徴を多数有する点は、時計愛好家の嗜好性をくすぐってやまない。

【商品詳細】SS(35mm径)。手巻き(Cal.135)。1960年代製。115万5000円。取り扱い店/プライベートアイズ ショップページに移動


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【10万円台から狙える!】ロンジン初のコレクション“コンクエスト”は意外にお得な実力派

2024/12/16
by 堀内 大輔

2024年にアニバーサリーイヤーを迎え、それを記念して発表された70周年モデルも注目を集めたロンジンのコンクエスト。1954年の発表当時、同社の最高機種として誕生した本コレクションを振り返ってみたい。



1940年代になってロンジンも自動巻きの開発に着手し、45年には初のラチェット式自動巻きのCal.22Aを完成させている。ただこの22Aは野心的すぎたのか、あまりにも複雑で問題も少なくなかった。
そこで52年に登場したのが改良版となる19ASである。まさにこの頃は、手巻きから自動巻きへと移り変わろうとしていた時代であり、各社から自動巻きの新しいコレクションが相次いで発表されていた。

こうした流れのなか、54年、ロンジンが発表した自動巻きコレクションが“コンクエスト”である。実はこれが、同社では明確なコンセプトとともにコレクション名を立てた最初のモデルだ。
当時の広告では“すべての品質でファーストクラスを保証する”というキャッチコピーとともに、エレガントなデザインながらも防水、耐震、耐磁性能を備えていることを積極的にアピールしている。一方、こうした積極的な広告戦略があった背景にはコンクエスト発売の2年前に登場したオメガのコンステレーションを意識していたことは想像に難くない。

ケースは金無垢仕様とステンレススチール仕様を展開し、56年にはデイト表示付きのバリエーションが登場している。さらに58年には、リバーサー式の自動巻きCal.290が完成し、これに載せ換えたコンクエストの第2世代が登場する。

その後も70周年モデルでも復刻されたパワーインジケーター付きモデルなど、時代に応じたデザインエッセンスや技術を取り入れながらバリエーションを増やしていった。

そのため、現在のアンティーク市場でも比較的容易に見かけることができるのだが、正直なところ、ロンジンの自動巻きは手巻きほどの名声を得ていない。
ただ、同社の最上位機種として位置付けていただけに外装の作りは決して悪くないし、相場も値ごろな個体が多いため、狙い目のアンティークウオッチだ。

【商品詳細】SS(35mm径)。自動巻き(Cal.6651)。1970年代製。17万6000円。取り扱い店/ダイワ時計店 ショップページに移動

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【“おじさんっぽい”ってイメージはもう古い!?】金価格の高騰で注目されるゴールド系ロレックス

2024/12/13
by 堀内 大輔

アンティークロレックスの世界で圧倒的人気が高いのは、ステンレススチール素材のスポーツモデルだが、ここ数年目利きのコレクターたちが注目しているのはゴールドモデルだ。

その背景にはご存じのように金価格の高騰がある。2020年にはだいたいグラムあたり6000円台だった金相場は、その後ずっと右肩上がり。特に24年に入ってからの急騰ぶりは凄まじく、1月時点でまだ1万円を少し超えるくらいだったのが、12月の現時点では1万4000円台半ばで推移している。1年で4割ほど価格アップしているわけで、この相場は当面収まりそうにない。

アンティークロレックスも、この金相場上昇の影響もあってか、以前は価格上昇の幅が緩やかだったモデルも、ここに来てぐっと相場を上げつつある。特にGMTマスターのコンビや金無垢、デイトナの金無垢などはかなり価格を上げているが、それでもステンレススチールモデルと比べると、ゴールドモデルはまだお買い得感が高いのだ。しかし、なかなか止まらない金相場の高騰を考え合わせると、今後はこうしたモデルの資産価値はより注目されていき、さらに価格を上げていくだろう。

少し前までは、金無垢ロレックスというとオヤジくさい、バブルっぽい、派手すぎると敬遠される傾向が強かったが、最近はそうやって敬遠する人も減っている。むしろゴージャスさや華麗さ、高級感を楽しめるファッションアイテムのひとつとして、若い顧客層ほど抵抗感がなかったりする。そもそもロレックスのやや無骨なデザインにゴールドはよくマッチするのだ。

特にアンティークモデルであれば、経年変化による文字盤の枯れ感なども相まって、ゴールドケースであってもギラっとした感じがうまく抑えられた個体が多い。渋く枯れたゴールドロレックスは、カジュアルファッションにも合わせやすく、ファッション上級者の雰囲気を演出しやすい。

現行のロレックスはエバーローズゴールドと呼ばれる赤みがかった独自の金素材を推しているが、アンティークで多いのはイエローゴールド。金無垢時計として最もイメージしやすいトーンだ。また銀とパラジウムを混合したホワイトゴールドも流通量が多く、ロジウムコーティングされた表面のトーンは落ち着いた雰囲気を感じさせる。ギラっとした感じはだいぶ抑えられているので市場での人気も高い。

近年のロレックスは18金を採用しているが、バブルバックなどの古い個体になると14金や10金など、金の混合率が低い素材も使われている。これらも独特のくすんだトーンを生み出しているが、その年代のモデルとなるとかなり上級者向けといえる。ゴールドモデルを購入するときは、ポリッシュや打ち傷補修などでケースが痩せた個体も多いので、外装のコンディションを見極めるのが重要だ。

【商品詳細】K18YG(40mm径)。自動巻き(Cal.3075)。1983年頃製。528万円。取り扱い店/コミット銀座



【この奇妙な渦巻きラインはなんだ?】思わず納得する時代がわかるその意外な活用法とは!

2024/12/11
by 堀内 大輔

業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。今回は文字盤中央に設けられた渦巻き状のスケールを取り上げる。

クロノグラフ時計に必ず装備されているのがストップウオッチ機構だ。これはご存じのとおり経過時間を計測するためのものだが、クロノグラフ時計にはそれを記録する積算計のほかにストップウオッチ機能を利用した、様々な計測スケールが表示されている。

その最も一般的なものといえば、現在もほとんどのクロノグラフ時計の文字盤外周やベゼルに表示されているタキメーター(下の写真)である。これは1km移動するのに要した時間を計測し、その区間の平均時速を割り出すためのものだが、この渦巻き状のスケールも実はタキメーターなのだ。

これはカタツムリのような見た目から“スネイルタキメーター(エスカルゴラインとも呼ばれる)”とも呼ばれるもので、1940年代など古めのクロノグラ時計でたまに見かけるスケールだ。


上の写真のデイトナのようにベゼルや文字盤外周に設けられた一般的なタキメーターでは、60km以下の速度を計測できない。そこでタキメーターを文字盤中央に設けることで低速域を表示、時速60km未満の速度も計測できるようにしたのがスネイルタキメーターなのである。

使い方は一般的なタキメーターと同様。計測開始と同時にクロノグラフをスタートさせ、次に1kmの地点でストップさせ、そのときにクロノグラフ秒針の位置にあるスケール上の数字が平均時速となる。この時速60km以下の計測の場合、クロノグラフ秒針が2〜3周するため渦巻き状になっているというわけだ。

まさにクルマのスピードがそれほど速くなかった時代ならではの計測スケールということになる。


[写真上の時計]エベラール。1940年代。手巻き(Cal.16) 。88万円/PRIVATE EYES Co(プライベートアイズ)
[写真下の時計]ロレックスデイトナ。1975年。Ref.6265。手巻き(Cal.727)。1180万円/JACKROAD(ジャックロード)


【非公式ながらかつてアメリカ軍も採用!?】簡易版ワールドタイム付きクロノグラフの傑作

2024/12/09
by 堀内 大輔

かつてクロノグラフを製造できたのは一部の時計メーカーに限られていた。
そのひとつが、創業者ジュリアン・ギャレットの名を冠した“ジュリアン・ギャレット社”を起源とするギャレットだ。同ブランドでは創業時よりクロノグラフの製造に尽力しており、1910年代から20年代にかけては、腕時計でワンプッシュクロノグラフの開発にも成功している。

そんな同社のエポックメイキングのひとつが、今回取り上げる“フライングオフィサー”だ。

1940年代に開発された同作は、世界初の簡易版ワールドタイム機能付きクロノグラフウオッチとして知られる。1から12までの数字が刻まれた回転ベゼルと、世界の主要都市を示すダイアルインジケーターが特徴で、これはパイロットが飛行中に時差を確認するための機能として設けられた。またアメリカ軍のパイロットからの要望で開発されたといわれており、非公式ながらもアメリカ海軍航空隊、スイス空軍に採用された実績をもつ。
そのためだからだろう、都市名は12時位置の“NEW YORK”を起点に設けられている。

34.5mm径という小振りなケース内に、クロノグラフや都市名、スネールタキメーターといった様々な要素が凝縮された文字盤デザインも本作の大きな魅力である。

【商品詳細】SS(34.5mm径)。手巻き(Cal.ヴィーナス150)。1940年代製。209万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ ショップページに移動


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【デイトナはすでに高値の花……】見逃してませんか?ホイヤーの傑作クロノグラフ

2024/12/06
by 堀内 大輔

モータースポーツを支えてきた時計として、コアな時計ファンに留まらない幅広い支持を集めてきたのがホイヤーのカレラだ。ホイヤー社の創設は1860年で、82年にはクロノグラフで特許取得。89年のパリ万博にスプリットセコンドクロノグラフを出品し、1916年には1/100秒計測可能が可能な“マイクログラフ”を開発するなど、クロノグラフ分野では懐中時計の時代から抜きん出た実力を誇っていた。

カレラ初代モデルは、1963年に創業家4代目ジャック・ホイヤーの手によって生まれた。
モデル名の由来は1950~54年にメキシコで開催されていた“カレラ・パン アメリカーナ・メキシコ”というレース。3000kmを超える荒野を走破するこのレースは、非常に過酷でスパルタンなもので、この過酷さにロマンを見出し、その走破に耐える時計の開発を目指したわけだ。

初代カレラは36mm径と現代の基準から見るとやや小振りの3カウンター仕様で、搭載ムーヴメントは流通量が多かったバルジューのCal.72。Cal.72はロレックス デイトナに搭載されていたことでもよく知られるが、この時代のカレラとデイトナを並べてみるとケースやダイアルデザインまで非常に似通っている。これに関しては、両社が同じサプライヤーからパーツ供給を受けていたということも大きな理由だろう。

その後のカレラは2カウンターモデルやカレンダー付きモデルなどバリエーションを増やしていくが、最大の変化は自動巻きキャリバーの搭載だろう。ホイヤーがブライトリング、ハミルトンと共同で、デュボア・デプラのムーヴメントにモジュール追加して生み出したCal.11は、世界で最も初期の自動巻きクロノグラフとして1969年に発表された。初期の自動巻きを積んだカレラは、Cラインケースを採用したレトロモダンなデザインが目立つ。ダイアルやケースカラーのバリエーションも一気に増えて、現代の視点で見ても楽しい。

その後クォーツショックで苦境に立たされたホイヤーは、1985年にタググループからの資本を受け入れて、ブランド名もタグ・ホイヤーに改称。しかし、90年代にはカーレース人気の高まりもあって、日本でもちょっとしたタグ・ホイヤーのブームが起こり、人気や売り上げは大きく回復した。現行ラインナップでもカレラは同社にとって重要なモデルであり、タグ・ホイヤーとモータースポーツの密接な関係をアピールしている。

60年以上の歴史をもつカレラは、スポーツクロノグラフを代表する存在だ。特にアンティークモデルは、ロレックスのデイトナ、オメガのスピードマスターにも引けを取らない素晴らしいクオリティを誇る。語りどころの多いレガシーなモデルでもある。

デイトナはすでに高嶺の花、スピードマスターもかなり価格相場を上げている昨今、まださほど値を上げていないカレラは非常にお買い得なモデルといえる。アンティークのクロノグラフを物色している人は、ぜひ注目しておきたい。

【アンティークホイヤーをLowBEATで探す】



【グランドセイコーに対抗?】1960年代にシチズンが投入した高精度モデル

2024/12/05
by 堀内 大輔


後発だった日本の時計産業は、戦後、目覚ましい発展を遂げ、1960年代に入るとスイス製時計にも劣らない高精度モデルを展開するまでにいたった。
有名なのは60年にセイコーが発表したグランドセイコーで、スイス・クロノメーター優秀級の規定を満たす性能を有した。
これに続いて、62年にシチズンから登場した高精度モデルが、“シチズンクロノメーター”だ。

“シチクロ”の略称でも知られるこのモデルは、同社がその威信をかけ、1本1本、職人が手作業で仕上げるなど採算を度外視して製造されたといわれ、販売価格は2万8000円とグランドセイコーの2万5000円よりも高額だった。搭載する手巻きムーヴメントは、精度の要となるテンワと香箱を最大化するために専用設計されたものだ。

製品一つひとつには、厳格な社内検定をクリアしたことを証明する“合格証明書”が付属し、そこには当時の社長直筆のサインも入れられるほどに力を入れたモデルだったのだ。

【商品詳細】SS(37mm径)。手巻き。1960年代製。77万円。取り扱い店/BQ 商品ページに移動


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【オメガのアンティーク時計がほしい】初心者は何を買ったらいいのか?

2024/12/04
by 堀内 大輔

業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。「【アンティークのロレックスが欲しい】 でも何を買ったらいいのか?」と題してお届けした前回は、非常に多くの反響をいただいた。そのため今回はオメガについて解説したいと思う。

ロレックス同様にオメガもムーヴメントが優秀なことで知られるブランドのひとつである。そのため古いものであっても作りは総じてしっかりしており、調整次第では精度もある程度期待できるため入門機に最適と言える。選ぶ際の目安としては手巻きなら30㎜キャリバー、自動巻きなら巻き上げ効率の高い全回転式がおすすめだ。

今回は一般的で狙いやすい自動巻きについて解説したいと思う。オメガの自動巻きモデルを狙う場合はやっぱりシーマスターとコンステレーションというこの2大銘柄にまず的を絞って探すことが一番の得策だ。そしてこれらに搭載されてきた歴代ムーヴメントについても把握しておくと、さらに的が絞りやすくなるだろう。

目安は1958年に改良され、360度全回転式で左右どちらに回転してもゼンマイが巻き上がる機構に加えて、自動巻き機構を上下に2枚重ねしたリバーサー式になったキャリバー550系だ。

ちなみにシーマスターとコンステレーションの一番の違いはコンステレーションに搭載されているムーヴメントには、Cal.560という一部違うものもあるが、大半はクロノメーター認定を受けたものが搭載されている。

現在の実勢価格はどちらも革ベルト仕様であれば20万円台半ばから手に入れられる。見た目は若干地味かもしれないが、性能、実用性、価格とオメガの入門機としてはまさに最適なのである。

なお、同じシーマスターでもシーマスター300や200となると、ダイバーズウオッチになってしまうため、ここで取り上げているベーシックタイプとは別物。価格もぐんと上がってしまうためご注意を。

●シーマスター搭載550系自動巻きムーヴメント
[1958年日付け無し]Cal.551(クロノメーター)、Cal.552
[1958年日付けあり]Cal.562
[1965年日付けあり]Cal.564(クロノメーター)、Cal.565
[1967年日付けあり]Cal.751(クロノメーター)、Cal.752

●コンステレーション搭載550系自動巻きムーヴメント
[1958年日付け無し]Cal.551(クロノメーター)
[1958年日付けあり]Cal.560、Cal.561(クロノメーター)
[1965年日付けあり]Cal.564(クロノメーター)
[1967年日付けあり]Cal.751(クロノメーター)

写真の時計
OMEGA シーマスター。GFxSSケース。CD166.010。ブラックミラーダイヤル。自動巻き(Cal.565)。24万8000 円/写真◎SELECT


【どの“バラ”がお好き?】製造年代によって違う、チュードルのロゴマークの変遷

2024/12/03
by 堀内 大輔

ロレックスでは、年代によって形状が多少異なっているものの、古くから王冠マーク(正式にはオイスターマーク)をブランドロゴとして採用してきた。これに対して、デュフュージョンブランドとして知られるチュードル(チューダー)では、どうだったか。

現在では、盾のマークがブランドロゴとして用いられているが、実は時代によって何度か変更されてきている。

公式ホームページによると、当初はシンプルに“TUDOR”名だけだったが、1936年から46年までは盾の中に薔薇をあしらった通称“盾バラ”のロゴマークが追加された。
なぜ薔薇だったかというと、ブランド名の由来でもある、エリザベス女王1世を含む歴代5人の王を輩出した名門チューダー家の紋章がずばり薔薇をモチーフにしたものだったからだ。

その後、68年までロゴは“薔薇”のモチーフのみとなった。
ただ実は、この薔薇のみのロゴにもいくつか種類が存在している。一般的には小振りな通称“小バラ”だったが、なかにはインデックスの12の位置に大きく配された通称“デカバラ”も存在したのである。ちなみに市場で最も人気があるのは、存在感抜群の“デカバラ”ロゴで、相場も割高なことが多い。

そして69年になると薔薇モチーフはなくなり現在の盾をモチーフにしたデザインが採用されるようになった。
つまりアンテイークのチューダーはロゴマークを見れば、ある程度の製造年代が推測できるということであり、覚えておいて損はないだろう。

【商品詳細】Ref.4540。SS(34mm径)。手巻き(Cal.1520)。1940年代製。35万2000円。取り扱い店/ケアーズ丸の内店 ショップページに移動


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【フチあり派? それともなし派?】ロレックス・歴代サブマリーナー屈指のロングセラーモデル

2024/12/02
by 堀内 大輔

ダイバーズウオッチのスタイルの基礎を築いたモデルとして知られるロレックスのサブマリーナー。
1953年の登場以来、性能面での進化を繰り返しながらも基本デザインを大きく変えることなく、今日まで製造されており、ロレックスのコレクションのなかでも安定した人気を獲得しているモデルだ。

そんなサブマリーナーの歴代モデルのなかで、28年近くも製造が続けられたロングセラーがノンデイト仕様のRef.5513である。
5513の登場は1962年、アンティーク自動巻きムーヴメントの傑作に数えられる1500系キャリバーを搭載したサブマリーナーの第3世代として誕生した。先行して展開されていた5512がクロノメーター仕様だったのに対し、5513は普及機の位置付けでノンクロノメーター仕様だったため価格的なバリューもあったこともあってか、5512より約10年も長く製造されていた。

ロングセラーゆえに、今日の市場でも比較的見つけやすいアンティークのサブマリーナーなのだが、その長い製造期間に何度かマイナーチェンジが実施されている。

なかでも見た目を大きく左右するマイナーチェンジが、インデックスのフチの有無だ。
1980年代半ばからインデックスがメタル素材でフチ取りされ、現行モデルに近いモダンな雰囲気がプラスされているのである。
一般的にはいわゆる“フチなし”のほうが人気があり高値で取り引きされるが、“フチあり”のほうが製造期間は短く意外とレア。もしRef.5513の購入を検討する際は憶えておくといいだろう。